行政大事典

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【最新行政大事典】用語集―地域おこし協力隊

地方自治

2020.05.24

【最新行政大事典】用語集―地域おこし協力隊

はじめに

 『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第1章 行政一般・地方自治」から、「地域おこし協力隊」を抜粋して、ご紹介したいと思います。

地域おこし協力隊とは

 

 平成21(2009)年に総務省によって制度化された。「都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が『地域おこし協力隊員』として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの『地域協力活動』を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組」とされる。実施主体は地方自治体である。

 隊員の対象としては、以下のように定められている。

〔1〕地方自治体から、委嘱状等の交付による委嘱を受け、地域協力活動に従事する者であること。

〔2〕委嘱に当たり、地方自治体が、その対象者及び従事する地域協力活動の内容等を広報誌、ホームページ等で公表していること。

〔3〕地域協力活動を行う期間は、おおむね1年以上3年以下であること。

〔4〕生活の拠点を3大都市圏をはじめとする都市地域等から過疎、山村、離島、半島等の地域に移し、住民票を移動させた者であること。したがって、同一市町村内において移動した者及び委嘱を受ける前に既に当該地域に定住・定着している者(既に住民票の移動が行われている者等)については、原則として含まないものであること。

 また総務省は、次に掲げる経費について、特別交付税により財政支援するとしている(いずれも上限)。

〔1〕地域おこし協力隊員の活動に要する経費:隊員1人あたり400万円(報償費等200万円、その他の経費(活動旅費、作業道具等の消耗品費、関係者間の調整などに要する事務的な経費、定住に向けた研修等の経費など)200万円)

〔2〕地域おこし協力隊員等の起業に要する経費:最終年次又は任期終了翌年の起業する者1人あたり100万円

〔3〕地域おこし協力隊員の募集等に要する経費:1団体あたり200万円

 平成21年にスタートして以降、年を追ってその数は増えており、29年度では4,830人になっている。その活動先は全国におよび、997自治体となっている。地元での評価は一般的に高いといわれる。(平成30年 総務省)


 隊員の男女比は男性が63%、女性が37%である。年齢は20歳代が36.6%、30歳代が38.7%と多く、以下40歳代17.6%、50歳代5.6%、60歳代1.5%となっている。また任期終了後にその約6割が同じ地域に定住していると報告される。その定住者1,396人の内訳は、男性853人(61%)で女性543人(39%)となっている(平成29年9月 総務省調査)。

*『最新行政大事典』2019年7月より。(NPO法人 フォーラム自治研究 嶋津隆文)
(有償版は本文に加え、法令へのリンク機能があります)

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