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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2024 月刊「ガバナンス」2024年8月号

地方自治

2024.09.03

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2024年8月号)

●障害者の排泄予測支援機器購入費を給付

 東京都港区(26万1600人)は、障害者(児)日常生活用具給付事業として、新たに排泄予測支援機器を給付対象に加えた。利用者の下腹部に専用シートを装着すると膀胱内の状態を感知し、排尿のタイミングを把握して本人または介護者に通知する機器で、在宅の障害者(児)が安心して日常生活を送れるようにするのが目的。対象となるのは、学齢児以上の身体障害者手帳を所持する下肢・体幹・肢体不自由の障害1〜3級程度と膀胱機能障害、学齢児以上の最重度または重度の知的障害者(児)など。9万9000円を上限に排泄予測支援機器本体価格の9割(生活保護・住民税非課税世帯は10割)を給付する。また、機器使用で必要となるシートなど消耗品に対して2か月分で3080円を給付する。5件分の予算を計上し、それ以上の申請があった場合は追加の財源措置を考えていく。
 排泄予測支援機器は2022年から特定福祉用具として介護保険で利用可能だが、障害者(児)の日常生活用具への追加を求める陳情が2023年6月に区議会に提出されるなどしていた。日常生活用具給付事業に排泄予測支援機器を含めたのは全国初とみられ、同機器によって自立排泄が促され、障害者(児)の尊厳を守るとともに、介助者の負担軽減やおむつの使用枚数削減などにつながると効果が期待されている。
 また区は、障害者(児)日常生活用具給付事業として、ストーマ装具の給付に関する基準額の上限を引き上げるとともに、電動機器による痰の吸引など医療的ケアが必要な人向けの災害用バッテリーを新たに給付対象とした。物価高騰によりストーマ装具代が上昇していることから上限を泌尿器系で月1万5000円、消化器系で月1万3000円に引き上げ、災害用バッテリーは災害時等の停電でも安心して過ごせるように10万円を上限に給付していく。
(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●次の新興感染症に備えて検証委員会を発足

 大阪府松原市(11万7000人)は、2024年5月に「新型コロナウイルス感染症対策対応検証委員会」を発足した。次の新興感染症に備えるため、(一社)松原市医師会や(一社)松原市薬剤師会、市内医療機関などと立ち上げたもので、大阪府内では初の取組み。
 同市は、新型コロナウイルス感染症に対して、市民の命と安全な暮らしを守ることを最優先に松原市医師会をはじめとする各種団体・機関等と協働で対策を講じた。その結果、医療機関等との連携やワクチン接種体制の構築などの迅速な対応が図られた。その経験と課題を踏まえ、次の感染症対策に向けた意見交換を行っていくのが検証委員会開催の目的で、第1回委員会では新型コロナウイルス感染症への対応を振り返った。2025年2月までに4回開催して、松原市版の検証報告書を策定する。

(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●ごみの中間処理施設で硬質プラスチックを「水平リサイクル」

 静岡県沼津市(18万9600人)は、4月、「新中間処理施設整備運営事業」に関する入札公告を行い、新しいごみ処理施設の整備・運営を行う事業者の選定を進めている。
 1976年から稼働している既存の清掃プラントは建物の老朽化が進んでいることから、南海トラフ地震などの大規模災害に耐えられず、ごみ処理が滞ることが想定されている。このため市では、2008年度から新たなごみ処理施設の整備に向けた検討を進めてきた。
 2024年度から始まった事業者の選定は、8月末までに技術提案書及び見積書の受付、2025年1月に落札者の決定、2月に基本協定締結、3月に仮契約締結、6月に契約締結(市議会議決)というスケジュールを予定。2029年4月頃に新施設の試運転を開始し、2030年1月頃の本稼働を目指している。
 新施設では、バケツやおもちゃなどの硬質プラスチックの水平リサイクルを行うことを計画。水平リサイクルの機能を備えた新施設の整備は全国初という。さらに新施設では、環境負荷を最小限にし、効率的にリサイクルを行う仕組みを取り入れ、ごみ処理により生じる熱エネルギーを有効活用した発電も進めていく。
(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●避難者情報の迅速な管理に「避難者カード」をデジタル化

 広島県三原市(8万9200人)は、災害時に開設する避難所に避難した住民が記入する「避難者カード」のデジタル化を図った。2018年の西日本豪雨で避難者の支援ニーズ等の迅速な把握が課題となった市は、2020年度から紙の「避難者カード」を導入。避難所の受付で世帯単位に渡し、避難者全員の名前、住所、代表者の電話番号、健康状態や障害の有無など配慮が必要かどうかを記載してもらい、避難所ごとに人数や支援ニーズを把握するようにした。「避難者カード」のデジタル化は、避難者の情報管理の迅速化と支援の早期把握、ニーズに応じた迅速な連携・対応を図るのがねらい。2023年度から市職員がシステム開発を進め、アプリの運用を開始した。
 デジタル版のカードは、避難所の受付で受け取った入力用二次元コードをスマートフォン等で読み取り、紙のカードと同じ項目を入力し送信してもらう。スマートフォン等が利用できない避難者には紙のカードに手書きで記入してもらい、職員が代理で入力する。まずは公設避難所の125か所で運用し、電子データによる一元管理で避難所における支援ニーズの把握と支援、市全体の迅速・確実な公衆衛生活動に活かしていく。
(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●新紙幣対応のための自動券売機等の改修・更新経費を補助

 愛知県大口町(2万4200人)は、2024年7月に流通が始まった新紙幣に対応するため、事業に使用している自動券売機などの改修・更新を行う町内事業者に補助金を交付する新紙幣対応支援事業を行っている。事業者の負担軽減がねらいで、全国的にも珍しい取組みだという。
 交付対象者は、町内で継続して事業を営む中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者(資本金3億円以下または従業員300人以下の製造業等、資本金1億円以下または従業員100人以下の卸売業、資本金5000万円以下または従業員50人以下の小売業、資本金5000万円以下または従業員100人以下のサービス業)。暴力団排除条例に規定する暴力団等や町税滞納者は対象外。補助金の対象となるのは、現に町内に設置し、事業の用に供する自動券売機や現金収受機、つり銭機など無人で金銭を収受する機器について、新紙幣発行に伴う金種識別や真贋判定に対応するために紙幣識別機ユニットを交換するなど、必要な機器の改修または更新をする場合に要する経費。2023年4月から2025年3月末までに実施した改修・更新に限り、1事業者につき1回、50万円を上限に対象経費の2分の1を補助する。
(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●「こどもメディカルラリー」知事杯を開催

 徳島県(71万8900人)は、9月8日、県内の小学生を対象とした「徳島こどもメディカルラリー知事杯〜みんなで守ろうみんなの命〜」を開催する。「救急の日」(9月9日)にちなんだ新たな取組みで、実施日は日曜である8日に設定。都道府県の主催としては全国初の試みという。未来の医療人材や防災人材の育成を目的としており、県医師会、県看護協会、県消防協会が後援するほか、県メディカルコントロール協議会、NPO法人徳島PUSHネットワーク、DMAT、各消防本部、自衛隊徳島地方協力本部、海上保安庁徳島海上保安部、徳島県警が協力する。
 県立産業観光交流センター「アスティとくしま」を会場とし、当日午前に開催する「救急救命講習」(心肺蘇生法、外傷講習、119番通報など)を受けた小学生が、午後「メディカルラリー競技会」に参加。けが人や倒れている人に遭遇した際の「迅速な119番通報」や「適切な応急手当」など4つのシチュエーションに挑戦する。
 対象は、県内の小学5年生と6年生で、3人1組でチームを組んで参加する(3人が同じ学年・学校である必要はない)。参加は無料。申込受付期間は5月17日から7月20日で、申込みに当たっては必ず保護者の承諾を得ることを条件とした。メディカルラリー競技会の優秀チームには、知事からの表彰状のほか、支援団体からの副賞が贈られる。

(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●「住み続けたいひめじプロジェクト」でブランドメッセージとロゴを作成

 兵庫県姫路市(52万8500人)は、市民の声をまちづくりに生かす「住み続けたいひめじプロジェクト」を開始した。「住み続けたい街とは?」「子どもを産み育てたい街とは?」などをテーマに対話を重ね、市民の声を象徴するブランドメッセージとロゴの作成を目指すもの。
 プロジェクトの第1回として、トークセッション「住み続けたい街づくりは自分たちで!」を7月に開催。経団連審議員会副議長を務める次原悦子氏、放送作家の伊藤滋之氏、元アナウンサーで4月に教育長に就任した久保田智子氏が登壇し、姫路の魅力について意見交換を行い、参加者らと交流した。
 以降は、▷第2回〜第4回:地域の魅力を言語化するワークショップ「姫路の今を言葉にしよう」(8月〜9月)、▷第5回:ブランドメッセージ・ロゴのコンセプトづくりを行うワークショップ「姫路の勝負ポイントはここ」(10月)、▷第6回:今までの声に基づき作成されたブランドメッセージ3案について検討するワークショップ「姫路を自分たちがつくる」(11月)、▷ブランドメッセージ・ロゴを選ぶ市民投票(25年1月〜2月)、▷ブランドメッセージ・ロゴの発表(3月)を予定している。
(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024より抜粋)

 

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