ご当地愛キャラ
ご当地愛キャラ vol.106 ちーたん(兵庫県丹波市)
地方自治
2020.12.08
人と地域をつなぐ
ご当地愛キャラ vol.106
ちーたん
兵庫県丹波市
\ひとことPR/
1億1000万年前に生まれた市のPR特命大使。体の模様は地球の歴史とともに生まれてきた地層をイメージ。「ち」は地層、地球、いのちなどを、「ー」は長く、永遠、「たん」は丹波、誕生、まごころなどを意味している。
◆丹波竜のちーたんの部屋
https://www.tambaryu.com/chi_tan/index.html
1億1000万年の時を超え発見された「丹波竜」のマスコットキャラ
丹波市は、兵庫県の中央東部、中国山地の東端に位置し、市内西部を南北に日本標準時子午線が通る。阪神間からJRや自動車で約1時間30分~2時間圏域であり、粟鹿山をはじめ、急斜面を有する山々によって形作られた中山間地域だ。
同市にビッグニュースがもたらされたのは06年。市の南端に位置する約1億1000万年前の白亜紀前期の地層「篠山層群」で、地学愛好家の2人の市民が国内最大級の植物食恐竜の化石(通称:丹波竜)を発見。丹波竜は後に竜脚類の新属新種と認められ、「タンバティタニス・アミキティアエ」と名づけられた。
この丹波竜をモチーフに、08年に誕生したのが「ちーたん」だ。印象的な体の模様は、地球の歴史とともに生まれてきた地層を表しており、体にはいっぱいの化石のアップリケ、頭には命の芽生えを象徴する双葉をつけ、これから育っていく生命の兆し、命のつながりを体全体で教えてくれる。恐竜とは思えないほどかわいらしいフォルムに子どもたちからの人気も高まっていった。
翌09年に「市PR特命大使」に任命。以来、「丹波竜フェスタ」や芦屋市の「サマーカーニバル」など、市内外のイベントに積極的に参加。時には、健康体操「ちーたんストレッチ体操」で、地域の健康増進のために体を張るなど、幅広い活動を続け、丹波竜や市の魅力を伝えてきた。今では市HP内や市ガイドブック、市内のマンホールなど、至るところにちーたんのモチーフが使われており、名前を冠した駅伝大会も毎年開催されている。19年11月には市内で、新作狂言「ちーたんと丹波竜」が地域の子どもたちによって演じられるなど、まちの伝統文化の継承にも一役買っている。
誕生以来、10年以上精力的な活動を続けてきたちーたん。その間、丹波竜などの研究が進み、市内だけでなく市外でも、丹波竜や篠山層群に興味を持つ人が増え始め、年間4万人を超える人が地域を訪れるようになった。丹波市をもっと知ってもらいたい──そんな想いでまちの歩みに寄り添って活動してきたちーたんの願いが結実したのかもしれない。
「今後もちーたんや市のファンを増やすべく、様々な活動をしていきたい。ちーたんのお出かけ予定や活動アルバムはHPで公開中なので、是非チェックしていただきたい」(丹波市恐竜課)
「丹波竜」化石の発見から恐竜を活かしたまちづくりを推進
06年8月に「篠山層群」で発見された世界的に貴重な「丹波竜」の化石。以来、市は恐竜を活かしたまちづくりを推進してきた。10年には、丹波竜の全身骨格やクリーニング作業なども学できる施設「丹波竜化石工房 ちーたんの館」がオープン。また、17年に「にっぽん恐竜協議会」を2市2町とともに立ち上げ、恐竜化石を活用した自治体連携に伴う基本協定書を締結。18年12月には第1回総会を丹波で開催した。
ココに注目!市内外問わずPR活動をサポート「ちーたんサポートクラブ」
ちーたんの活動を支えているのが、「ちーたんサポートクラブ」。好きな時に手伝える自由参加型のファンクラブで、満20歳以上なら性別・個人・法人・市内外を問わず加入できる。サポーターはイベントの手伝いのほか、専用HP内でちーたんが日本各地をめぐる「マスコットちーたん日記」の更新も市の担当職員とともに行っている。写真は20年2月、県内養父市のハチ高原スキー場。
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写真提供/兵庫県丹波市