連載 vol.104「つながる」力 派遣職員の方々とのつながりは一生の宝物【佐藤彰斗(宮城県気仙沼市職員)】
地方自治
2024.07.08
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2022年11月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
私が「つながる力」を感じるようになったきっかけは、2017年に気仙沼市に採用され、税務課に配属になったことだった。当時の税務課は固定資産係、市民税係、収納係の3係で構成され、それぞれに首都圏や関西、九州など全国から多くの派遣職員が在籍していた。その中でも派遣職員が最も多く在籍していた固定資産係に私は配属となった。
入庁前までは、「地元の職員がほとんどだろう」と思っていたため、派遣職員の多さに衝撃を受けたのを今でも覚えている。上司や先輩方の指導を受けながら、業務をこなす日々。そのような中で、様々な派遣職員の方々と出会い仲良くなり、市内や仙台まで一緒に飲みに出かけ、カラオケ、旅行に行くこともあった。休日には宿舎で夜遅くまで飲み明かしたことも良い思い出である。公私ともに楽しい時間を過ごすことができ、今でも当時のことを思い出しては懐かしんでいる。
派遣元に戻られた現在でも、交流が続いている方が何名もいる。電話やSNSで連絡を取り合い、現地に行けば一緒に飲むこともしばしば。なかには共通の趣味があり、深い話や個人的な相談に乗ってくれる方もいる。関東や関西などに出かければ、ほぼ毎回、派遣職員の誰かに会っている。「気仙沼にまた行きたい」と言ってくれる方、そして実際に気仙沼に来てくれる方もいて、うれしい限りである。
新型コロナウイルス感染症の影響や私自身の都合などにより、長らく関西や九州方面に行けていないが、落ち着いたタイミングでまた行きたいと考えている。そして、派遣で気仙沼に来ていただいたことへの御礼を伝え、当時の思い出話やお互いの現状報告などができればと思っている。
東日本大震災から11年が経ち、少しずつ気仙沼の復興は進んできた。だからこそ、これからは全国からいただいた支援に恩を返していきたい。派遣職員の方々とのつながりは一生の宝物。今後もこのつながりを大切にしていきたい。そして、気仙沼市の発展のために日々精進していきたい。
(宮城県気仙沼市職員/佐藤彰斗)