連載 vol.80「つながる」力 まちのシンボル「花火」でつながる 【今 暁〈こん あき〉(秋田・大仙市職員)】
地方自治
2023.09.06
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2020年11月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
6月末、日本三大花火と言われ、我が市の最大イベントである8月の全国花火競技大会「大曲の花火」が、新型コロナウイルス感染症の影響で今年度の開催を見送った。予想されていたとはいえ、感染症の収束も見えないまま、例年の夏のワクワク感が無くなることに、家族ともども気持ちをどんよりとさせていた。
そんな折、仕事のスピンオフで始めた、地域の大人による地域の子どものためのプログラミング学習教室「神岡ICTラボ」の主催で、子どもたちがプログラミングで作るバーチャル花火の出来を競う「全国バーチャル花火競技大会」を実施することにした。前から考えていた「プログラミングでの花火大会」を、中止となった全国花火競技大会をオマージュする形でオンライン開催することにしたのだ。
神岡ICTラボは、地元小学校の保護者有志で結成した団体で、代表はPTA会長で地元煙火会社の代表。代表の投げかけにより「大曲の花火」の本家アナウンスをお願いできることになった。花火のまちらしい面白い企画だ、と審査員として老松博行市長も協力してくれることとなった。オンライン中継には、地元花火愛好家団体で活躍しているスピンオフ公務員の先輩も急遽、実況解説として参加してくれることとなり、あっという間に、本物っぽい「全国バーチャル花火競技大会」が整った。プログラミング花火の応募作品には、玉名(花火の名前)をもじったマニアックな作品名があったりして、こういうのがきっと「シビックプライドってやつだな」、とニヤリとしながら、審査員とともに子どもたちの自由な発想の作品を楽しませてもらった。
仕事からスピンオフした企画が芽を出し、仕事のつながり、子どもを通した地域のつながり、花火ネットワークが生んだパワーで、粗々でありながらも準備期間ほぼ1か月で大好評に終わることができた。「また見たい!」「もっと難しい花火を作ってみたい!」という声を受け、地域をカマシながら、また来年もチャレンジしてみようと思っている。
(秋田・大仙市職員/今 暁〈こん あき〉)