霞が関情報
霞が関情報「地方財務」2023年7月号(ぎょうせい)
時事ニュース
2023.08.07
※2023年6月時点の内容です。
霞が関情報
(『月刊 地方財務』2023年7月号)
デジタル活用が有効(人事院)
人事院は、2022年度の年次報告書(公務員白書)をまとめた。個々の職員の希望や事情に応じたきめ細かな人材マネジメントをすることが今後の行政を担う若年層を公務組織に引き付ける上で重要だと指摘。それには、データやデジタルを活用していくことが有効だと説明している。公務組織で職員に求められる知識やスキルの可視化の検討を促している。
白書は、データやデジタルを活用し、個々の職員の希望や事情に応じたきめ細かな人材マネジメントを実現している民間企業や自治体、外国政府の事例に関する聞き取り調査結果を紹介。公務で検討に着手すべき論点を整理した。
具体的には、職員が持つ知識・スキルや経験の可視化を論点として提示。調査の事例を踏まえ、今後のキャリアで求められる知識・スキルを現在と比べれば、これから身に付けるべきことをより明確に認識できるため、効果的な能力開発に結び付いていると解説した。
白書はまた、人事業務プロセス間でのデータ共有・活用の強化を論点として提示した。上司のコメントやアドバイス、自身のキャリア目標などについて、職員ごとに一元管理するタレントマネジメントシステムの活用を提案。目指すポジションに求められるスキルの水準に照らし、人事異動を検討する方法などを取り上げた。
川本裕子人事院総裁は、白書の公表に当たり「公務組織で実現可能性のある取り組みに挑戦していくことが重要。その1つが、データやデジタルの活用だ」と述べている。
災害中間支援組織を育成・強化(内閣府)
政府の中央防災会議は、最近の施策の進展などを踏まえ、防災基本計画を修正した。NPOやボランティアの活動の支援や調整を担う都道府県による「災害中間支援組織」の育成・強化や関係者の役割分担の明確化といった、多様な主体と連携した被災者のサポートなどを修正内容にしている。
多様な主体との連携ではこのほか、一人ひとりの被災者の状況を把握した上で、関係者が連携し、きめ細やかな支援に継続的に取り組む「災害ケースマネジメント」といった仕組みの整備も加えた。
大きな災害が起きた時に、一般のボランティアの調整に当たる「災害ボランティアセンター」の設置予定場所について、市町村地域防災計画に明記するよう要請している。
また、被災者台帳や避難行動要支援者名簿の作成に際してデジタル技術を活用するよう促した。
このほか
▽「北海道・三陸沖後発地震注意情報」に関する解説に努め、正確な情報を伝達
▽2022年に起きた北海道・知床半島沖の遊覧船事故を踏まえた、旅客船の総合的な安全・安心対策の強化
──などの事項も追加した。
水道行政移管で準備チーム(国土交通省)
国土交通省は、水道整備・管理行政が厚生労働省から国交省などに移管されることを見据え、省内に関係部署で構成する「水道整備・管理行政移管準備チーム」を設けた。チームリーダーは官房総括審議官とし、各方面からの問い合わせの窓口も設置した。円滑に準備作業を進めるのが狙いだ。
斉藤鉄夫国交相は記者会見で「今回の移管を機に、国交省が有する下水道などのインフラ整備・管理に関する知見や地方整備局の現場力、技術力を活用し、水道整備・管理行政のパフォーマンスを一層向上させる必要がある」とした上で「引き続き必要な体制や予算の確保に向け全力で取り組んでいく」と強調した。
「生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律」が成立し、2024年4月に、国交省と環境省に関連の行政が移されることになったのを受けた対応。地方整備局には移管準備室を置いた。
就職状況が改善(厚生労働省)
厚生労働省と文部科学省は、2023年3月に卒業した大学生の就職状況をまとめた。それによると、同年4月1日現在の就職率は97.3%で、前年同時期比で1.5ポイントのプラスになった。新型コロナウイルスの流行で落ち込んでいたが、過去最高だった20年の98.0%に近い水準まで改善した。
男女別では、男性が97.3%(前年同期比2.7ポイント増)、女性が97.3%(同0.2ポイント増)。文系・理系別に就職率を見ると、文系は97.1%(同1.7ポイント増)で、理系が98.1%(同0.7ポイント増)だった。