連載 vol.69「つながる」力 災害で改めて感じるつながりの大切さ 【角張洋平(千葉・館山市職員)】
地方自治
2023.05.25
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2019年12月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
最近、人との「つながり」の大切さを感じる出来事がいくつもあった。
その一つが、9月に千葉県に大きな被害をもたらした台風15号からの災害への対応をする中で感じた自治体職員をはじめとした様々な方とのつながり。そして、館山の復興を応援しようとしてくれる方達とのつながりだったのである。
9月8日の夜から9日にかけて千葉県を通過した台風15号。9日の朝に街に出て気づいた、たくさんの建物の破壊や停電といった被害の甚大さにショックを受けた。
幸い自宅には被害はなく停電での影響しかなかったが、当たり前だった生活や業務が当たり前ではなくなり、被害状況や復旧の見込みがわからない状況で、自分ではどうすることもできない無力感を感じていた。
そんな時、これまで自主研活動でつながった全国各地の自治体職員の仲間や課外活動でつながった多くの知り合いの方々から心配や支援のメッセージが届いた。状況がどこまで伝わっているのかもわからず、誰も知らないのではと感じていたこともあり、自分達の状況を知っていて、応援してくれる人がいることがわかったことは、その後の業務や支援活動の励みになった。そんな経験ができたのは、これまで様々な機会を通して人とつながることをしてきたからであって、人のつながりは大事だなと感じることになったのである。
もう一つは復興支援に伴うふるさと納税だった。私が住む街はいち早く受付を開始したこともあり、多くの方からたくさんの支援をいただいた。そこには多くの応援のメッセージも添えられており、こんなにも多くの方がこの街と様々な形でつながりがあり、応援してくれているのだと知ることができた。励みになったのはもちろんだが、この困難な状況を乗り越えていくには多くの人の協力が必要であり、人とのつながりが大切なのだと感じることができた。
元の生活に戻るにはまだまだ時間がかかるだろう。人とのつながりを大切にしながら、皆さんと一緒に復興に取り組んでいけたらと思う。
(千葉・館山市職員/角張洋平)