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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2023 月刊「ガバナンス」2023年1月号

地方自治

2023.01.31

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2023年1月号)

●自治体財政DXに関する包括連携協定を締結

 茨城県つくばみらい市(5万2500人)は、一般社団法人新しい自治体財政を考える研究会、株式会社WiseVineと、自治体財政DXに関する三者協定「財政力向上を目的にした包括連携に関する協定書」を締結した。
 市では、健全な財政運営を持続させるためのさまざまな取組みを進めており、今回の協定はその一環。新しい自治体財政を考える研究会とWiseVine社は、自治体財政が抱えている「事業の優先順位付けができない」「マネジメント部門と現場部門の情報の非対称性・流通性」といった課題の解決を目指し、歳入歳出額のシミュレーション・予算査定の自治体間比較が可能となる「査定ノウハウダッシュボード」などの予算編成サポートシステムの開発を共同で進めている。「査定ノウハウダッシュボード」は、自治体によって名称や立ち位置が異なっていても実施内容自体は同一・類似である事業をマークする「TAG」と、事業を査定する視点を表した「軸」を掛け合わせることで、経験と勘に頼っていた予算査定のノウハウを形式知にするもの。これらの活用を通して連携を強化することにより、財政力の向上を図っていく。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●アンケート結果のリアルタイムの集計・公表を実施

 札幌市(196万700人)は、新たなアンケート手法として、SNSに投稿したアンケートフォームのリンクから回答してもらい、回答状況をリアルタイムで集計してウェブブラウザで公開する実証実験を行っている。市は市民の意見把握の一手法として郵送やインターネットによるアンケート調査を行っているが、準備や集計・分析に費用と労力がかかり、結果がまとまるまで一定の時間を要することが課題となっていた。そこで、結果が即時に集計され、市民も回答状況が共有できる仕組みの構築を目指して実証実験を実施した。また、回答者の年代・住まい・意見の傾向等を過去の調査と照らし合わせ、調査手法の妥当性や回答状況公表に対する市民の反応等も検証する。
 実証実験は、22年11月1日~15日に第1回札幌市に対する認識度把握調査として、札幌の食やイベント、観光スポットなどについて回答してもらう調査を実施。5540件の回答が寄せられ、随時、回答状況を公表した。ただ、調査開始後に3000件以上の回答が集中して集計反映のタイムラグが生じたことから、処理速度を改善した上で12月1日~7日に第2回目の調査を実施した。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●土木の魅力を官民協働で発信する「藤枝どぼくらぶ」を発足

 静岡県藤枝市(14万3600人)は、藤枝建設業協同組合などとともに「藤枝どぼくらぶ」を発足した。社会基盤づくりや災害復旧に欠かせない土木産業を支える若者が減少する中、土木業や建設業の重要性や仕事としての魅力を発信し、次代を担う“人財”を確保・育成していくのが発足のねらい。静岡県の「静岡どぼくらぶ」や企業、教育機関と連携して活動を展開していく。
 具体的には、①戦略的な広報・PR、②担い手の確保・育成、③建設産業のイメージアップ──を柱に活動。①では将来を担う進路選択前の小中学生等の若年層に向けた直接的な情報発信を中心に、多くの市民に土木について知ってもらうための誰にも分かりやすい情報発信、②では小中学校への出前講座や現場見学会を通じたインフラ教育や、大学との連携・フィールドの提供、若手・女性技術者交流会“ドボカフェ” など建設産業従事者による各種交流会の開催、③では親子現場見学会など各種イベントの開催や建設産業における働き方改革“藤枝型新3K”の推進(かっこいい・効率がいい・希望がもてる)──などに取り組む。
 戦略的な広報・PRに向けては、シンボルとなるロゴマークを活用した情報発信にも取り組むこととし、発足に先立ってロゴマークに対する市民投票を実施してエンブレム型のロゴマークを採用した。県内市町で「どぼくらぶ」のマークを制作したのは藤枝市が初めてとなる。市の建設産業を一つの仲間(クラブ)としてブランディングし、戦略的な広報と官民連携した取組みの展開により、イメージアップと次代を担う人財を確保・育成して、持続可能な土木業界を目指していく。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●法人からの住民票の写し請求業務のデジタル化に向けて検討ワーキンググループが発足

 自治体・公共機関向けのソリューション事業等を展開する富士フイルムシステムサービスと、10自治体・7法人が連携し、「法人郵送請求のデジタル化に関するワーキンググループ」(WG)を2022年11月に立ち上げた。10自治体は、千葉県木更津市、北九州市、佐賀市、札幌市、大阪府四条畷市、東京都墨田区、東京都多摩市、埼玉県所沢市、東京都東村山市、東京都町田市。7法人は、アイフル、アコム、オリエントコーポレーション、クレディセゾン、住友生命、ソニー生命、ニッテレ債権回収。富士フイルムシステムサービスがWGの主幹を務める体制だ。
 債権回収、債務履行を進めるカード会社や保険会社が、対象者の現住所確認のため住民票の写しを自治体に請求する際、郵送での手続きが主流となっている。
 郵送で請求する際、法人では、必要書類の印刷・封入・投函の作業、自治体ごとに異なる請求手続きへの対応、定額小為替を購入する手間と手数料の支払い、郵送代などの負担が生じる。また、自治体においては、受領した封筒の開封、同封書類の管理、おつりを支払うための定小為替の準備や換金処理などの業務負荷が発生。自治体の規模にもよるが、年間1万件以上の郵送請求に対応する自治体もあり、業務負荷の軽減が課題となっている。
 この課題解消に向けて、21年、東村山市と多摩市において、富士フイルムシステムサービスが試作した「住民票の写しオンライン請求システム(仮称)」を活用した実証実験を実施。今回発足したWGでは、この実証実験を踏まえ、システムの仕様や運用方法等、請求書様式の標準化などについて、定期的に意見交換を行う。WGの開催期間は22年12月〜23年3月を予定。WGでの検討を経てシステムの構築を進め、23年度中の本稼働を目指す。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●不登校児童生徒らを支援する「子ども教育センター」を大学と協働して開設へ

 津市(27万4100人)教委は、三重大学教育学部と連携して、三重大学・津市子ども教育センター(仮称)を2023年度に開設することを発表した。
 市教委は、2004年に同学部と連携協定を締結し、教員養成や教育上の諸課題に対応した調査・研究などで連携を進めてきたが、不登校児童生徒数や特別支援学級在籍の児童生徒数が年々増加傾向にあるなか、これまで以上に市教委と同学部が連携・協同し、一人一人のニーズに応じた対応、組織的な支援体制の構築が必要となったことから、今回の計画に至った。具体的には、同学部附属小学校第2特別教室を改修し、その1階を子ども教育センターとして使用するというもの。
 センターは市教委と同学部が共同運営し、
 ○不登校児童生徒への教育支援の充実  ○多様なニーズに対応する通級指導の充実  ○実践研究の成果の発信や研修会による教職員の専門性向上  ○現場感覚や実践力を備えた教員を志望する学生の養成──に取り組んでいく。  不登校や特別支援教育といった今日的な教育課題に対して、大学は、専門的な支援、子どもたち一人一人のニーズに応じた教育のかたちを地域に還元。充実した施設や研究成果に基づく人材育成、教材開発、研修体制、専門的な教育を提供していく。
 市教委は、これらを活かしながら、ニーズに応じた不登校への支援、通級による教育指導、通級指導教室、教育相談の充実を図る。ICTを活用した居場所づくり、学生による学習ボランティア等の支援も視野に入れており、子どもたちへの支援体制がこれまで以上に充実するとしている。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●特殊詐欺未然防止に向けた産学官の共同研究を実施

 兵庫県尼崎市(46万100人)は、特殊詐欺撲滅に向けて、学校法人東洋大学、富士通株式会社と連携し、AIと犯罪心理学を組み合わせた技術を活用して日本初となる共同研究を進めている。被害者の判断力低下などの心理状態を推定し、リスクの可視化によって特殊詐欺を未然防止するのが目標で、特殊詐欺を高精度に検知して未然に防止する特殊詐欺推定AIモデルの構築を目指している。
 1回目の実験は22年3月末に実施。富士通開発のヒューマンセンシング技術に基づく感情推定と東洋大学開発の心理尺度を用いた感情状態の測定を活用して尼崎市の高齢者が詐欺電話を体験し、犯行に使用されるワードへの反応や反応時の心理状態を把握した。その結果、疑いやすい人ほど、また年齢が高い人ほど緊張・混乱しやすいことなどが確認され、生理反応と心理的特性から心理的状態を推定できる結果が得られた。その結果を踏まえ、実用的な使用条件への適用を目指してカメラなど非接触センサーから推定される生理反応を用いて検証する2回目の実験を22年10月末に実施し、分析を進めている。共同研究は23年3月31日まで行い、特殊詐欺全般を高精度に検知するモデルの開発を目指していく。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●外国人留学生を会計年度任用職員として採用

 神戸市(151万7600人)は、外国人留学生を会計年度職員として採用した。外国人留学生の戦略的獲得のための調査・実践、プロモーションを推進するのが目的で、日本の大学(大学院)へ1年以上の留学経験があること、日本語能力試験N1の日本語能力があること、日本へ留学したい学生や外国人留学生について熟知していること、パソコンでの資料作成ができることなどを応募要件として募集。関西国際大経営学部に留学しているベトナム人女子学生を採用し、参画推進課の職員として市の留学生向け多言語型サイトの記事作成や、留学生誘致に向けた海外でのプロモーションなどを担当してもらう。任期は今年度末までだが、最大4回まで更新できる。
(月刊「ガバナンス」2023年1月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

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