公務員が読みたい今週の3冊
公務員が読みたい今週の1冊【公務員のためのマーケティング講座】
NEWぎょうせいの本
2025.10.13

この記事は2分くらいで読めます。

出典書籍:『月刊ガバナンス』2025年9月号
今週、何読む?
読書の習慣をつけたいと思いながら、まだ始められていない…。
日々読書を嗜んでいるが、そろそろネタ切れ…「次は何を読もうか」検討中。
そんな公務員の方はいませんか?
「公務員なら読んでおきたい」業務に役立つ必携図書や、「公務員の皆様が楽しく読める」おすすめ図書をガバナンス編集部がピックアップ。
「公務員が読みたい今週の3冊」では毎週2~3冊をご紹介。
特別編「公務員が読みたい今週の1冊」ではたっぷりの著者インタビューとともに、おすすめの1冊をじっくりとご紹介します。
「今週読みたい図書」の選定にぜひお役立てください。
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“マーケティングのめがね”をとおして地域の未来を拓く

公務員のための
マーケティング講座
──成果を最大化する
政策・施策・事業づくり
長浜洋二・著
学芸出版社/2,400円+税
著者プロフィール

長浜洋二(ながはま・ようじ)
1969年山口県生まれ、横浜市在住。米国ピッツバーグ大学公共政策大学院卒。NTT、マツダ、富士通で約15年にわたりマーケティング業務に従事。2018年にモジョコンサルティング合同会社を設立し、社会課題の解決と新しい価値の創造に取り組む人や組織、地域に対し、事業開発(事業計画/戦略の策定と実行)と組織開発(コーチング/ファシリテーション)、地域開発(多様な主体による協働推進)を行っている。
“マーケティングのめがね”をとおして地域の未来を拓く
── 著者インタビュー
VUCAと呼ばれる時代。多くの地域課題に直面する中で、自治体にも「マーケティング」の視点が求められてきている。限られた資源からより効果の高い事業を生み出し、住民のウェルビーイングを叶えるためにはどうすれば良いのだろうか?本書はその道標となる、マーケティングを実践するための「5ステップ」と、マーケティングの実効性を高めるための「コーディネーション技術」について解説したものである。
「私自身が地域づくりのお手伝いをする中で感じたのが、自治体職員の重要性。地方に行けば行くほど、ヒト・モノ・カネ・情報といったリソースは行政に集中していく。自治体の立ち回り方によって、社会課題の解決や地域活性化の成否は大きく変わってくるであろうことを実感していた」
と、長浜洋二さん。
こうして、「公務員」をターゲットに執筆を開始した長浜さんが、特に苦労した点は“マーケティングへの心理的距離の解消”だという。自治体業務は幅が広く、地域で住民と向き合う人もいれば、庁内で企画や調整にあたる人もいる。どのように横串をとおせば、マーケティングという切り口で自分の業務との接点を感じてもらえるか意識したそうだ。
「マーケティングの目的は、一般に想起されるような“利益の創出”だけではない。もう少し抽象度を上げれば、“ターゲットの意識や行動の変容を促すこと”とも言い換えられる。そのような視点に立って書くことができれば、ほぼすべての公務員に実践する価値のあるものとして受け取ってもらえるのではないか、と考えた」
──そんな言葉どおり、本書における「具体」と「抽象」の書き分けは印象的だ。すべての職員が目指すべき「住民のウェルビーイングの実現」という目標(抽象)に向かって踏まれる5ステップには、モデルケースを挙げながらのポイント解説や全国自治体での好事例(具体)が添えられている。これにより、一人ひとりが身近な実務に照らし合わせ、読み進めることができるだろう。
「ある読者の方から『普段やっていることが、実はマーケティングの一つだったと気づいた』という感想をもらった。マーケティングは真新しいことではなく、気づかないところで既に実践されていることも多い。そういった点を整理するツール・“マーケティングのめがね”として、本書を活用してもらえたら嬉しい。これまでできていること、あるいは足りなかった部分に気づくことができるだろう。その両方の視点を持ちながら、いまの業務や動き方を俯瞰的に見るだけでも、新しい気づきや学びがあるのではないか」
先行きの見えない時代。マーケティングのめがねをとおして現在を見直すことで、地域の新たな未来が拓けるだろう。
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月刊 ガバナンス 2025年9月号
特集1:地域を支える技術系職員
特集2:自治体現場の「質問力」 編著者名:ぎょうせい/編
販売価格:1,320 円(税込み)
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