公務員が読みたい今週の3冊
公務員が読みたい今週の3冊【子どもの人権/シニア雇用/プライバシー・サイバーセキュリティ】
NEWぎょうせいの本
2025.09.29

この記事は1分くらいで読めます。

出典書籍:『月刊ガバナンス』2025年9月号
今週、何読む?
読書の習慣をつけたいと思いながら、まだ始められていない…。
日々読書を嗜んでいるが、そろそろネタ切れ…「次は何を読もうか」検討中。
そんな公務員の方はいませんか?
「公務員なら読んでおきたい」業務に役立つ必携図書や、「公務員の皆様が楽しく読める」おすすめ図書をガバナンス編集部がピックアップ。毎週2~3冊をご紹介します。
「今週読みたい図書」の選定にぜひお役立てください。
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「不適切保育はなくならない」を出発点に、今必要な園づくりとは

冒頭の著者対談では、逮捕者が出たさくら保育園(静岡県裾野市)の虐待事件の背景が語られる。「どこでも起こり得る」の言葉は衝撃的だ。本書では、同園をはじめ、各地の園・自治体に指導や研修を行うメンバーが、子どもの人権を尊重する園づくりの方策を「予防(研修)」「対応(通報・相談システム)」の両面から解説する。対話型の人権「トレーニング」を紹介する第3章にはコピー可のワークシートがついており、すぐに活用できる。
著者はチェックリストによる短絡的な○×や断罪により保育が萎縮することを危惧する。アオリ文の「不適切保育はなくならない」という言葉は“諦め”ではない。対話を通じて多様な意見があると学ぶこと、対話できる関係性をつくることが大切だ。「このまちで起きたら」と不安なら、手にとってみてほしい。
ミドル・シニアが「資産」として活躍できる職場と社会の実現へ

定年がなくなる時代の
シニア雇用の設計図
宮島忠文、小島明子・著
日本経済新聞出版/2,400円+税
65歳までの雇用義務、さらに70歳までの雇用も努力義務となった今、シニアは仕事人として貢献できる人材となることが求められている。本書ではキャリア形成支援現場での知見、豊富な調査データを踏まえ、個人、企業、社会、それぞれの視点からミドル・シニアの活躍を実現するヒントを提示する。
「口だけで動かない」「協調性や柔軟性に欠ける」などミドル・シニア世代が陥りがちな問題を指摘する一方、長年のキャリアで培った人脈や経験などミドル・シニアの「知的資産」にも言及。働き続けてほしい人としての「強みの言語化」が必要だと強調する。企業にも若者中心の採用基準の見直し、キャリア形成を含む職場環境の整備の必要性を説く。雇用される側もする側も必読の一冊だ。
プライバシー・セキュリティの基本から法的対応までを理解!

地方自治体は一般企業と比して高度な個人情報を扱うことが多い。そのため、漏えい等が発生し、裁判などになった場合には、解決までに長い時間を要してしまう。こういった紛争を防ぐため自治体職員に求められるのは、プライバシー・サイバーセキュリティの基礎知識と適切な対応方法を知っていることである。
本書では、東京都港区情報公開・個人情報保護審査会委員を務める渡邊涼介弁護士と、サイバーセキュリティ分野における国の有識者会議委員である山岡裕明弁護士により、「プライバシー」と「サイバーセキュリティ」について基本概念と多数の具体的事例をもとにした法的対応が解説されている。誰もが実務に活かせる文献だ。現在の情報の扱い方は危ないかも……?と思った人にこそ読んでほしい。
月刊『ガバナンス』では、おすすめ書籍6冊を毎月まとめてご紹介!

月刊 ガバナンス 2025年9月号
特集1:地域を支える技術系職員
特集2:自治体現場の「質問力」 編著者名:ぎょうせい/編
販売価格:1,320 円(税込み)
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