子どもの溺水事故を引き起こす原因とは?夏の水遊び安全対策

NEW地方自治

2025.07.01

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「子どもの命を預かる」ことに携わっている方々へ

イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室

イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方
編著者名:所 真里子、掛札逸美、レーヴ法律事務所/著
     柚木ミサト/イラスト
販売価格:2,420 円(税込み)
詳細はこちら ≫

子どもの命を奪いかねない深刻な事故やケガ(落下、溺れ、窒息、誤飲・誤嚥(ごえん)、火傷等)は、ある日突然起こります。
本書では、「子どもを取り巻く危なさ(ハザード)やリスクを見つける方法」「深刻な結果(死亡、重傷、重症)を防いでいく方法」をイラストや図解でわかりやすく解説しています。

今回は本書から「夏:『溺れる』事故を防ぎましょう」をご紹介。
大切な子どもたちが安心して夏を過ごせるよう、今こそ“水のリスク”を見直しましょう。

この記事で分かること

・身近な溺水事故の事例
・見落としがちな危険ポイント
・安全に水遊びを楽しむための対策

夏:「溺れる」事故を防ぎましょう

 梅雨の雨、夏の水遊びなど、子どもたちが大好きな「水」の時期です。子どもが楽しく夏を過ごせるよう、安全な環境を作っていきましょう。

口と鼻をふさぐだけの水があれば「溺れ」は起きる

 プール以外でも、口と鼻をふさぐだけの水が溜まっていたら「溺れ」は起きます。実際に、1歳児が園庭にある円筒形の雨水ますに頭を突っ込み、7cmほど溜まっていた水で溺れ、心肺停止の状態となった事故が園で起きています。

水が残る場所、溜まっている場所

バケツの写真

 水が残りやすい場所としては、雨上がりの園庭、たらいやバケツ、遊具のタイヤの間などがあてはまります。「このくらいの水なら」「すぐ乾くはず」と思わず、水はすぐに捨ててください。

 また、水がいつも溜まっている場所は、雨水ます、排水溝、災害用貯水槽、池やビオトープなどです。このような場所は、子どもが近づけないような対策をしましょう。雨水ますや排水溝には、コンクリートや鉄の重いフタ、または工具がないとはずせないフタをしておく、柵をして鍵をかけるなどです。

水遊びの「危ない」を防ぎましょう

 子どもたちが大好きな水遊びの時期です。でも、口と鼻をふさぐだけの水があれば「溺れ」は起きます。注意点を再確認しましょう。

水深が浅いビニールプールで溺れることも

ビニールプールの写真

 たとえば、プールの中のおもちゃを取ろうとして水に落ちることは、ひんぱんに起きます。「数分だから」とその場を離れたり、スマホに目を向けたりすることは危険です。遊び終わった水は残さず、すぐに捨てましょう。

死亡事故多発 バスタブで浮き輪を使わない

バスタブで浮き輪を使う子どもの写真

 首にかけて使うもの、足を入れて使うものなど、プールで使う乳幼児用の浮き輪があります。「便利だから」と自宅のお風呂で使い、首がはずれて沈んだり首が絞まったり、逆さにひっくり返ったりして溺れて亡くなったお子さんは何人もいます。使わないでください。

川や湖、海で遊ぶ時はライフジャケットを着用

ライフジャケットを使う子どもの写真

 浮き輪は、大きな波や急な風で流されたりひっくり返ったりすることがあります。また、浅くても水の中は滑りやすく、流れに足を取られることも。ライフジャケットを着用していれば溺れるリスクは下がります。ボートやヨットに乗る時も忘れずに。

ライフジャケットを選ぶ 3つのポイント

その1:サイズが合っているか
 大きすぎると、ライフジャケットが鼻と口を覆ってしまったり脱げたりすることがあります。

その2:品質が確認された商品か
 浮力が十分でないライフジャケットもあります。桜マーク(国土交通省型式承認品)など品質が確認された商品を選びましょう。

その3:レンタルする時の注意
 子どもサイズは扱っているか、予約は必要かなど出かける前に問い合わせを。サイズが合わないものでは命を守れません。


[参考]子ども安全メール from 消費者庁、497号「首掛け式乳幼児用浮き輪は気をつけて使用しましょう!」(2020年4月2日)、510号「家庭用プールでの事故に注意しましょう!」(2020年7月2日)。東京くらしWEB「子供の水辺の遊び ではライフジャケットを着用させましょう」(東京都、2019年3月26日)

 

『保育者のための「ハザード」教室』では
他にも次のような内容を読むことができます。

季節をきっかけに保護者に安全情報を発信
・入園シーズン:自転車事故を防ぎましょう
・初夏:窓からの転落事故を防ぎましょう
・秋:遊具の事故を防ぎましょう
・年末年始:プレゼントや飾り物の誤飲・誤嚥を防ぎましょう
・冬:やけどを防ぎましょう

・できごと別 「危ない」の発見力アップ
・「ものと環境×体の大きさ×発達段階」で考える
・安全を考えた製品を活用する
・季節をきっかけに保護者に安全情報を発信
・わかりやすい掲示で保護者に「危ない」を伝える
・効果的なお手紙で保護者を園の味方に

 

イラスト・図解で、子どもにとっての「危ない!」ポイントがひとめでわかる!

イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室

イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方
編著者名:所 真里子、掛札逸美、レーヴ法律事務所/著
     柚木ミサト/イラスト
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