怒りを笑顔に! 教師のアンガーマネジメント
怒りを笑顔に! 教師のアンガーマネジメント 第5回 家庭学習は、楽しく&個別対応◆子どもの実態、家庭の実態に合わせ、柔軟に対応する◆
生徒指導
2021.08.25
怒りを笑顔に! 教師のアンガーマネジメント
大阪市の小学校で現在6年生の担任と生活指導主任を務める松下隼司氏は教員18年目。怒りの感情のコントロールが苦手で、これまで子どもを必要以上に怒って苦しめてしまい、自分自身も後悔してしまうことがあったといいます。そんな松下氏はその後一念発起して「アンガーマネジメント」の資格を取得。同じ失敗を繰り返さないよう工夫している事例を6回に分けて紹介していただきます。
家庭学習は、楽しく&個別対応
◆子どもの実態、家庭の実態に合わせ、柔軟に対応する◆
1.あさイチ、宿題全員提出の手立て3
「だらだら宿題をして、とても時間がかかります」など、宿題について
保護者から、家庭訪問や懇談会で相談を受けることがあります。
宿題をよく忘れる子どもには、教師もつい感情的に対応してしまうことがあるかもしれません。子どもが笑顔になる宿題対応を紹介します。
- ① 「宿題全員提出おめでとう会」をする。
朝の挨拶までに、全員が宿題を提出できたら、3~5分の簡単な学級レクをします。レクは、じゃんけんゲームや係活動の出し物などです。
子どもは、「おめでとう会のために、宿題をがんばってやってだそう」と、がんばります。でも、宿題を忘れてしまう子どもはクラスに一人はいます。「全員がやってきたら奇跡!」ぐらいに思っています。
- ② 宿題の内容を毎日、同じにする。
宿題の内容を固定しておいたら、いちいち連絡帳を見ないで済みます。
私が出す宿題メニューは、「暗唱・漢練・算プ」です。暗唱は、暗唱ファイルの音読です。漢練は、その日学習した新出漢字練習です。算プは、算数プリント1枚です。月水金は「日記」があります。
- ③ その日の宿題を、その日のうちにやって帰らせる。
学校で宿題をしていることは同じです。
でも、「忘れたからやる」のと「忘れないためにやる」のとでは、子どもも気持ちが全然違います。忘れたからやるのは「後ろ向き」です。忘れないためにやるのは「前向き」です。忘れないためにその日のうちに学校でやる方が、集中して取り組みます。
保護者の了解がいりますが、たいてい賛成してもらえます。
2.連絡帳に 「家で勉強がんばったよマーク」
毎日の家庭学習の時間の目安として「学年×10分」を、子どもや保護者に伝えることがあります。4年生でしたら、「4×10分」で 毎日の家庭学習の時間の目安は、40分間です。ただ、紹介しただけでは、子ども保護者も忘れてしまいます。教師も確認し忘れてしまいます。
そこで、楽しく簡単に、毎日、家庭学習の記録する方法を紹介します。
- ① その日の連絡帳のための板書の日付の上に「家で勉強40分間以上がんばったよマーク」を描く。
- ② 家で家庭学習を40分間以上がんばった子どもは、自分の連絡帳の日付の上にマークを写す。
①黒板
②連絡帳
- *黒板に描くマークは何でもいいです。
- *最初は子どもが分かるようにマークの右に「←昨日、40分間以上
家に帰ってから勉強した人はかいてね」と説明を板書します。 - *家庭学習の時間は、宿題や読書、習い事の時間も込みにしています。