財政課の1年
財政課の1年 1月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!1月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2024.01.04
本記事は、月刊『地方財務』2023年1月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
年が明けました。いいお正月を迎えることができているでしょうか。
おとそ気分、という言葉がありますが、財政課の職員にとってはこの時期が正念場。浮かれている場合ではないはずです。御用始めの日から、エンジン全開で予算編成に向き合っていることと思います。
まずは、担当している課に行って、年始の挨拶をしましょう。今までもいろいろ教えてもらっていると思いますが、これからもさらにお世話になるに違いありません。本年もよろしくお願いしたい気持ちを伝えましょう。
秋から本格的に進めてきた予算編成も、いよいよ最終コーナー。悔いのない予算案を作りたいものです。あの事業については本当ならもっと切り込みたかった、あの要求は通してあげたかった、など個人的な思いはいろいろあると思いますが、課として議論が尽くせていれば納得はできるはずです。首長や所管課に、自信を持って説明できるようにしたいところです。
予算を内示した後は、反論の声が上がってくるかもしれません。懸命に頭をひねって作り上げた予算案への不満には受け入れがたいものがあるかもしれませんが、それぞれに言い分があります。まずは落ち着いて聞くところから始めましょう。
当初予算財政課案の作成
首長査定に向けて、新年度当初予算の財政課案を作ります。どのレベルまで作り込むかは自治体によって様々だと思いますが、首長に説明するにあたって整理すべき項目は以下のようになるでしょう。
■基本的な考え方の整理
秋口に「予算編成方針」を作り、それからこの方針に沿って予算編成を進めてきたと思います。その意味では一貫した考えで進めてきたはずですが、この数か月の間で変化した状況もあるでしょう。財政課のメンバーのなかで微妙に温度差が生じたり、首長から新たな指示が出されたり、社会情勢が動いたり、といったこともあると思います。ここで改めて、新年度予算の基本的な考え方を整理しておきましょう。
例えば、大きなビジョンとして、歳出を絞り力を蓄えるための年とするのか、それとも思い切って投資に力を入れる年とするのか、といったテーマを共有し、当該自治体の将来をどう見据えているかということを改めて議論することも必要です。こうした根本的な部分が財政課内で統一されていないと、いびつな予算になりかねません
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