財政課の1年
財政課の1年 6月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!6月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2023.06.01
本記事は、月刊『地方財務』2022年6月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
6月の財政課のメイン業務は、なんといっても決算統計です。他の課で培ってきた知識がほとんど役に立たない特殊な作業であり、財政課に異動してきた方にとっては、乗り越えなければならない最初の難関と言えるでしょう。
決算統計は自治体財政分析の基礎となる非常に重要な統計業務ですが、どんなに精緻にやっても市民に感謝されるわけではありません。やたらと細かい数字の積み上げといくつもある表の作成に、嫌気がさすこともあるかもしれません。しかし、いずれにしてもやらなければならない仕事ですから、意義を理解してしっかり対応するとともに、来年以降につなげる効率化の道も探っていきましょう。
6月には、定例議会も開かれます。新年度が始まったばかりですので補正の内容は小粒であることが多いと思いますが、議会対応はどんなときもしっかり準備する必要があります。きちんとした資料を揃えて、部長や課長を支えましょう。
決算統計
■そもそも決算統計とは
決算統計、正式名称「地方財政状況調査」は、地方公共団体の毎年度の決算状況について統一ルールに基づいて集計するもので、地方財政に関する最も基本的な統計調査です。『地方財務』の読者の皆さんは先刻ご承知のことと思いますが、地方公共団体間の比較が可能となるように「普通会計」という区分を基準に集計します。
決算統計の結果は国によって取りまとめられ、様々な統計資料として公表されるとともに、「地方財政白書」として国会に報告されます。これらは、地方公共団体の歳入・歳出の分析や財政の健全性の判断において重要な役割を果たしています。
そうは言っても、100ページにも及ぶ膨大かつ詳細な資料を作成することに、疑問を持たれる方も少なくないと思います。特に現在は、「健全化判断比率の算定」「統一的な基準による財務書類」と決算分析に係る資料作成を別途行っていますので、決算統計事務について、労力に見合う効果が得られていないと感じるのもやむを得ないでしょう。
お気持ちはよくわかりますが、やらないという選択肢もなさそうですので、できる限り作業を効率化するとともに、できあがった資料についてはしっかり活用していくようにしたいものです。かけた手間にふさわしいかどうかはさておき、全国統一で行われている継続的な財政資料ですから、きちんと読み解けば
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