クレーム対応術

関根健夫

クレーム対応術 11 不当な要求にも応える必要がある?

キャリア

2019.04.04

【コラム】「悪質なお客さま」対応を練習しておく

会話の練習

 不当要求を繰り返す、また不当要求が疑われるお客さまには、一人で対応するとストレスが溜まる。
 後になって「言った」「言わない」の不毛な議論になることも多い。

 そうならないためには、複数の職員で対応することが大切だ。時には助けを呼ぶことになるだろう。
 ポイント10 でも述べたが、多くの役所では、対応マニュアルなどに「一人で対応しない」「庁舎管理者に報告」「警察への通報」などと書いてあるが、それが実践的に運用できていない場合が多い。不当要求が発生したとき、とっさの判断で組織的に動けるかどうかが組織の質ともいえる。

 人は誰でも、異常なことは起こってほしくないと思っているし、無意識に起こらないと思い込んでいる。
 例えば、火事になったら119番に電話することは誰もが知っている。しかし、実際に火を見たときに「火事だ!」と叫べる人は少ないという。119 番に電話をかけることができても、緊張して自分の住所が言えない人もいるそうだ。
 あってはならないことが起きている異常性をなかなか冷静に認知、判断できないのだ。

 それを克服するには、普段から訓練をしておくことが大切だ。できれば、実際の接客カウンターを使って、ロールプレイング形式で練習する。

 お客さまがどのような発言、行動に至ったら、誰がカウンターに近づくか、誰がどこの部署に連絡するかなどを練習しておく。そのことで、クレーム対応マニュアルの本当の意味が実感できるだろう。

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2019年6月 発売

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関根健夫

関根健夫

人材教育コンサルタント

1955年生まれ。武蔵工業大学(現、東京都市大学)卒業後、民間企業を経て、88年、アイベック・ビジネス教育研究所を設立。現在、同社代表取締役。コミュニケーションをビジネスの基本能力ととらえ、クレーム対応、営業力強化などをテーマに、官公庁、自治体、企業等の研修・講演、コンサルティングで活躍中。著書に、『こんなときどうする 公務員のためのクレーム対応マニュアル』『事例でわかる公務員のためのクレーム対応マニュアル 実践編』(ぎょうせい刊)。

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