
多様な学びが「人」を飛躍させる場所 ──公共政策大学院最前線
公共政策大学院最前線 第3回|「 理論と実践の融合」で描く デジタル社会の未来 ──湯淺墾道・専任教授(ガバナンス研究科長)
NEW地方自治
2026.09.30
目次
出典書籍:月刊『ガバナンス』2026年10月号
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特別コラム 明治大学ガバナンス研究科 Presents
多様な学びが「人」を飛躍させる場所 ──公共政策大学院最前線
第3回
──湯淺墾道・専任教授
ゆあさ・はるみち 専門は情報法、サイバーセキュリティ政策、電子投票・ネット選挙など。九州国際大学教授・副学長、情報セキュリティ大学院大学教授・副学長、明治大学学長室専門員などを経て、2026年4月よりガバナンス研究科長を務める。内閣府・総務省・デジタル庁・JICA等で各種審議会委員や研修講師、JST/RISTEXプログラム総括などを歴任。主な著書に『電子化社会の政治と制度』など。

湯淺墾道・専任教授
――ご経歴と、ガバナンス研究科長になられるまでの歩みをお聞かせください。
湯淺墾道・専任教授(以下、湯淺):大学時代はアメリカ憲法を専攻し、博士課程で政治学へ進みました。九州国際大学、情報セキュリティ大学院大学を経て明治大学に移り現在に至ります。キャリアの特徴としては、30代で副学長に就任するなど、若い頃から大学の管理運営や組織ガバナンス、危機管理の実務に長く携わってきました。
――情報ネットワークやサイバーセキュリティ、個人情報保護といった領域に取り組まれたきっかけは?
湯淺:実務上の必要性からです。最初に赴任した大学では、HP作成やメールサーバー管理を手作業で行う必要があり、そこから手探りで専門知識を深めていきました。また赴任翌年に個人情報保護法が全面施行されるということで、規程づくりや個人情報管理台帳の整備などを一手に担いました。実務と研究の双方から必要に迫られて足を踏み入れたのが原点です。
――この20年ほどで社会のデジタル化は激変しました。現状をどうご覧になっていますか。
湯淺:予測できなかった変化が3つあります。1つ目は「SNSの台頭と従来型メディアの急速な衰退」。2つ目は「スマホ等による常時接続環境」、3つ目は「動画コンテンツの日常化」です。かつてPCで文字情報を検索していた時代から、24時間どこにいても大容量の動画やSNSに触れる生活空間へと完全にシフトしました。
――現在、ご関心を特に持たれている分野は?
湯淺:2つあります。1つは「デジタル時代における生と死」です。あらゆるものがデータ化される中、急逝した家族のクラウドデータやサブスク契約、SNSアカウントの整理など、身近な課題が浮上しています。また将来、さらに生成AIやLLM(大規模言語モデル)が発展し、個人の思考回路や脳の完全なコピーが可能になったとき、人間の「生と死」や人格の境界線をどうコントロールすればいいのかという法制度的な課題もあります。
もう1つは生成AIの急速な普及による社会のあり方の変化ですね。私自身、地方議会から「議会と議員のAIの活用」というテーマでよく研修を頼まれますが、議員の政策立案や情報発信にAIが活用される一方、「AIが政策を提示して市民が直接投票すれば議会はいらない」という新しい形の民主主義の提案も出てきています。
――ガバナンス研究科の特徴と魅力をお聞かせください。
湯淺:1つ目は「理論と実践の高度な融合」です。社会人の学生は、自身の現場での優れた実践経験を持っていますが、それは特定の領域に限られがちです。専門職大学院で歴史や体系的な理論を学ぶことで、自分の経験を客観化・一般化し、高度な政策立案能力へと昇華させることができます。2つ目は、他の公共政策大学院と異なり「政治の領域」を排除しない点です。行政側だけでなく政治・議会の機能も重視しており、これらを学べるのは当研究科ならではの強みです。3つ目は「圧倒的な多様性」です。若手からシニア、自治体職員、議員、企業人、さらには中央・東南アジア諸国の政府職員を中心とした留学生まで多種多様な人材が集まります。リアルな場での対話を通じて、ネットには載っていない生の情報や人脈を得られることは非常に大きい価値のあることです。
――入学を検討している皆さんへメッセージを。
湯淺:社会の変化が激しい現代において、過去の知識を学び直す(リカレント)だけでなく、常に新しい知識を取り入れて自分自身を変化させていき、新しい能力を獲得する「リスキリング」も求められています。デジタル社会になればなるほど、人と人との対話や、ネットに出ていないリアリティのある情報の価値が増しています。理論と実践を学び、生涯の糧となる強力な仲間と出会える当研究科で、ぜひ共に学びましょう。
【説明会、公開講義等の日程はウェブサイトから】
https://www.meiji.ac.jp/mugs2/

【企画提供】
明治大学 専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)
東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL:03-3296-2397
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