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ガバナンス編集部

【関東自主研サミット2025】職員同士の交流で一歩先の有志活動へ/イベントレポート

地方自治

2025.12.17

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【ガバナンス・トピックス】
職員同士の交流で、一歩先の有志活動へ
──関東自主研サミット2025

「関東自主研サミット2025」(関東自主研サミット実行委員会・NAS-R共催)が2025年11月9日に東京都中野区で開催された。2013年から発足した本会では、職員の有志活動の実践にフォーカスしている。各登壇者の経験談からさまざまなノウハウを共有するとともに、参加者同士の活発な対話で学びと親交を深めた。

職員同士がつながる場づくり

 関東自主研サミットは、関東地方の自主研グループなどが集い2013年に発足した場です。自主研にかかわる人、これから触れてみたい人、前向きな一歩を踏み出してみたい人が一堂に会し、交流を行う恒例のイベントとなっています。

 今回はイベント名に「自主研で“心を燃やせ!”」というサブタイトルを設定。「参加者が自主研等の活動に興味・関心をもち、心が熱くなるような話を聞いたあと、新たなネットワークづくりも行えるような企画」をねらった。

意見交換会の様子
親密な雰囲気の会場で、活発な意見交換が行われた。

第1部:自主研活動の事例を共有

 第1部では、自主研活動の事例紹介を行った。

小平市職員自主研究グループ「K-up」

 まず東京都小平市職員の飯島健一さんが、小平市職員自主研究グループ「K-up」について説明。小平市職員の意識や知識を上げたいという思いから2016年に始まったK-upは、今年で10年の節目を迎える。3か月に1回程度の頻度で、多彩なゲストスピーカーによる講演と参加者同士の対話を組み合わせた勉強会を開催しており、直近8月の開催で35回目を数えた。市外との交流も深めていきたいとの思いから、開催当初からオープンな参加形式にしている点、また、少額でも参加費を設定することで、参加者の意識向上をねらっている点がポイントだという。

 継続の秘訣について飯島さんは「楽しむことが何より大切。私は幹事としてK-upにかかわってきたが、自分自身の興味関心からゲストスピーカーを呼ぶことができるのは大きな特権だと感じている。当初は『とりあえず3年は続けよう』との思いだったが、気づけば10年を迎えていた。気の置けない仲間と楽しいことをつくっていく、そんな感覚が大事なのではないか」と話した。

現役公務員限定のプラットフォーム「オンライン市役所」

 続いて、特許庁の岩葉瑞季さんが「オンライン市役所」について紹介した(写真1)。

写真1
オンライン市役所の運営に携わる岩葉瑞季さん
オンライン市役所の運営に携わる岩葉瑞季さん。

 岩葉さんは現在、47都道府県の地方公務員と中央省庁の官僚をつなぐ「よんなな会」と、現役公務員限定のオンラインプラットフォーム「オンライン市役所」、2つのコミュニティの運営に携わっている。イベント的に開催されることの多かった「よんなな会」の活動を発展させ、業務に生かせる日常の交流の場として立ち上げられたのが「オンライン市役所」だ。2020年の立ち上げ以降、コロナ禍の後押しもあり、参加者は約6000人、所属の自治体数は1200以上にものぼる。

 運営のうえでは「誰もが先生。誰もが生徒。」というコンセプトのもと、上下をつくらず全員で教え合う形を意識しているという。また、参加者全員が自発的にコミュニティの運営にかかわっていく、という意識の醸成も行っている。岩葉さんは「オンライン市役所にかかわる中で、たくさんのつながりができた。そこから、自分の専門性や得意にも気づくことができた。社会をよくしたい、地域をよくしたいと課題感をもって取り組んでいる人がこんなに多くいるのだと知り、大きな励みになっている」と、コミュニティ参加への思いを話した。

第2部:スペシャルスピーカーによる登壇

 続く第2部では、一般社団法人ONE JAPAN代表理事・濱松誠さんが講演を行った(写真2)。

写真2
スペシャルスピーカーによる登壇の様子
スペシャルスピーカーの(一社)ONE JAPAN代表理事・濱松誠さん。

 「現場から挑戦を生む 有志が動かす組織と社会──自主研2.0がつくる、学びで終わらない文化」と題し、自主研を“学びの場”から“組織を動かす場”に進化させる(2.0へとステップアップする)には?というテーマを検討。

 その中では、

①越境(自らの所属を越え、積極的に他者とかかわっていくこと)
②違和感(現状のモヤモヤをしっかりと感じ取り、正しい方法で発露していくこと)
③実践共同体(有志活動や自主研等のコミュニティそのもの)

の3つのキーワードに着目し、議論を進めた。

 ボランタリーな活動や行政組織特有の困難さにも言及しつつ、最後に有志リーダーの心得として「自分の違和感を信じる」「完璧より、まず実験」「仲間と支え合う」の3つを示した。

第3部:ワールドカフェでアイデアの創出

 第3部では、参加者全員でワールドカフェを実施。5人程度のグループに分かれ、設定されたテーマについて話し合った。テーマが変わるごとにグループのメンバーも入れ替えながら、対話を続けた。

 ターン1では「どんな“有志活動”をしていますか?」、ターン2では「“有志活動”をしないのは、機会損失?」、ターン3では「今から一歩踏み出すためにできること」というお題が投げかけられ、各グループで活発な議論が交わされた。ターンが終わるタイミングでは“印象に残った発言”が発表され、「自主研とは別に、ボランティアサークルに参加している。また、広域の職員同士でかかわれるような活動の場も新たにつくりたいと考えている」「有志活動を“組織”として取り入れてないのは、機会損失ではないか。研修等に取り入れてみてもよいのではと思う」など、展望やアイデアが共有された。

 全国から多くの自治体関係者が集まり、越境しながら学びと親交を深める場となった。

(本誌/森田愛望)

 

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