公務員が読みたい今週の3冊
公務員が読みたい今週の3冊 【まちのえき/法学/教育・保育給付】
NEWキャリア
2024.12.26
目次
今週、何読む?
読書の習慣をつけたいと思いながら、まだ始められていない…。
日々読書を嗜んでいるが、そろそろネタ切れ…「次は何を読もうか」検討中。
そんな公務員の方はいませんか?
「公務員なら読んでおきたい」業務に役立つ必携図書や、「公務員の皆様が楽しく読める」おすすめ図書をガバナンス編集部がピックアップ。毎週3~4冊をご紹介します。
「今週読みたい図書」の選定にぜひお役立てください。
【バックナンバーはこちら】
行政が種をまき、市民が育てる共創の場
まちのえき
歩いて行ける拠点づくり
小紫雅史・著
学芸出版社/2,200円+税
「まちのえき」は公園や公民館など地域の既存施設を活用し、「買い物」「学習」「遊び」「アート」等、様々な活動の拠点とするもの。奈良県生駒市では、まちのえき100か所設置を目標に取り組みを進めている。著者である小紫市長は、移動に困難を抱える高齢者の増加に対し、公共交通の拡充を行うだけでなく「サービス・機能のほうを近づける」という発想の転換を示す。
行政が応援し、市民自らが育てるまちのえきには、地域経済の活性化やコミュニティの創出、シビックプライドの醸成など多くの効能がある。本書には具体的な活動内容のほか、「立ち上げ方」、「成功ポイント」なども整理されているので、これから挑戦したい人にもおすすめだ。
法学で、世界の解像度が上がる
いま、法学を知りたい君へ
世界をひろげる13講
東京大学法学部「現代と法」委員会・編集
有斐閣/1,800円+税
今年話題になった、NHKの連続テレビ小説「虎に翼」。このドラマをきっかけに法学へ興味をもった人も多いのではないか。
しかし、初学者が法学の世界に踏み込むのは少し勇気のいることだろう。そんなときおすすめしたいのが本書である。
東京大学で1、2年生向けに開講された法学の導入科目の講義内容が、1冊(全13講)にまとめられている。講ごとに、ロシアのウクライナ侵略、18歳、19歳は大人か?子どもか?、自動運転の刑事責任…など身近な社会問題がテーマとして設定され、法学の観点から解説。
読めば、各事象への解像度もぐんと上がるはずだ。自らの生活と有機的に結びついた法律の奥深さ、面白さを体感してほしい。
自治体実務目線で制度からしっかり理解できる
「保育所の職員配置にミス」「給付費○千万円の支給誤り」……。
教育・保育給付認定にかかわるミスの報道は、いまだに後を絶たない。それも、制度の複雑難解さゆえ。この制度は、保育所や幼稚園、認定こども園などの施設を利用する際に保育や教育の必要性や量を判定する手続きだが、施設別・年齢別(1歳児、3歳児など)で異なる職員の配置基準をはじめ、保育士の処遇改善のための加算やまたがる法令も多く、自治体、施設双方の理解が不可欠である。
本書は、考え方や留意すべきポイントをわかりやすくまとめ、解釈の参考も加えた〝かゆいところに手が届く〞内容。心強い味方として手元に置いておきたい、教科書的な1冊だ。