連載 vol.114「つながる」力 つながりが仕事に生きる糧となる!!【筒井加奈(高知県職員)】
地方自治
2024.10.21
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2023年9月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
高知県には市町村に県職員を配置する「地域支援企画員制度」がある。私は2019年から3年間、高知市の隣に位置し、農業や工業が盛んで歴史的な史跡も多い南国市担当の地域支援企画員として南国市役所に駐在していた。
主には「高知県産業振興計画」の地域アクションプランの推進が役割だったが、それによらない住民からの相談や、市職員からの情報提供等からニーズを汲み、県の支援制度を伝えたり、県の部署を紹介したりしていた。そのような中で役に立ったのがこれまで県庁やプライベートでの活動で培った「つながり」だった。
何か相談事があったときに、どの部署や人に相談すればよいか、「たしかこの会社がこんなことをしていた」などこれまでの「つながり」がとても役に立った。
また、地域支援企画員という仕事自体が人と人をつなぐ役目も持っていると自分では感じている。例えば、「南国市の特産品であるシシトウをもっとPRしたいと思っている」と相談を受けた際には話を聞き取り、南国市内の別の事業者を紹介したり、同じような取り組みをしている事業者をつないでコラボ企画が生まれたりした。
新たにクラフトビールの生産を行いたいと考えている人からの相談があった際には、隣市でクラフトビール生産に取り組む方に話を聞く場を持つなど、人とのつながりも作っていた。
現在は福祉保健所に配置され、これまで全く縁のなかった福祉分野の業務をしている。しかしながら、地域支援企画員時代にともに商店街振興に取り組んだ南国市職員の方と関わりがあり、縁はつながっている。
これまでの仕事の知識・経験はリセットされたが、人とのつながりはリセットされていないのだなと感じている。人によっては転職レベルの異動が数年おきにある職場だからこそ、リセットされない「人とのつながり」が大事なのではないかと最近は考え、次の異動先でここでのつながりが活かされる日が来るかもしれないと思いながら日々慣れない仕事をこなしている。
(高知県職員/筒井加奈)