この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2024年5月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。

PICK UP!「Digi田（デジでん）甲子園 2023」受賞事例から見るデジタルを活用した地方創生の推進

内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局

（月刊「J-LIS」2024年５月号）

　本年３月６日、岸田内閣総理大臣、河野太郎デジタル田園都市国家構想担当大臣らのご出席のもと、「Digi田（デジでん）甲子園2023」の表彰式が総理官邸で行われました。

Digi田甲子園の概要と特徴

　「Digi田甲子園」は、地方公共団体や民間企業・団体を対象にデジタルを活用した地域課題の解決等につながる取組を募集し、特に優れたものを内閣総理大臣賞等として表彰する事業です。開催初年度の令和４年度は、地方公共団体を対象とした「夏の甲子園」、民間企業・団体を対象とした「冬の甲子園」をそれぞれ開催しました。３回目となる令和５年度は、「地方公共団体」と「民間企業・団体」の二つの部門を設定し、年１回の開催となりました。

　「Digi田甲子園」は、デジタル技術を競うのではなく、デジタルをツールとして活用しながら、実際に地域の課題解決を実現している取組を表彰・周知することに主眼が置かれています。また、選考にあたっては、国民によるインターネット投票を通じて、広く一般の方々にも関わっていただき、デジタルを活用した様々な取組に関心を持ってもらうことも狙いとしています。さらに「Digi田甲子園」を一過性の表彰行事で終わらせることなく、受賞事例などのデジタル実装の優良事例について、インターネットやSNS、テレビ、イベント等を捉えて広く発信しています。令和５年度は、前年度の受賞事例を中心に、G7広島サミットの会場での展示や国内外のイベントへの出展、パネルディスカッションへの登壇などを通じた情報発信を実施しました。

「Digi田（デジでん）甲子園2023」の受賞結果と表彰式

　「Digi田（デジでん）甲子園2023」は、令和５年８月30日から事例募集を始め、全国から合計240件の応募をいただきました。有識者による予選審査を経て、55件が本選となるインターネット投票に進みました。

　インターネット投票は、令和６年１月17日から約１ヵ月間実施し、期間中は、出場者によるSNS発信や出場者の地元自治体ホームページ等での紹介、インターネットのバナー広告や全国各地の地方紙による新聞広告、報道記事、ラジオCMなど、様々な媒体を通じて、投票参加を呼び掛けた結果、投票総数は71,574票と前回（40,623票）を上回りました。このインターネット投票の結果と審査委員による審査を総合的に評価し、内閣総理大臣賞等の受賞者が決定されました（図）。

図　「Digi田（デジでん）甲子園2023」受賞者一覧

　受賞事例は、医療、介護、防災、インフラ管理、地域交通、農業など幅広い分野から選出されました。いずれも、各地域が直面している課題に対して、具体的な解決策を提供している優れた取組ばかりでした。次回以降、複数回にわたって、実際の取組事例やその成果等について紹介します。

　表彰式では、岸田総理は受賞者を称えるとともに「（受賞者の）皆様には、課題解決のモデルとして、各取組を、より充実、発展させていただくようお願いします。」とのエールが贈られました。その後、受賞者は表彰状の授与や記念撮影に臨み、岸田総理や河野大臣らが受賞者一人ひとりを囲んで撮った記念写真は、後日、NFT（Non-Fungible Token）データに加工した上で、副賞として受賞者に贈られました。

今後の展望

　先にも述べたとおり、「Digi田甲子園」は、表彰式以降もホームページや各種メディア・イベント等で受賞事例等の発信に努めてきました。こうした情報発信を通じて、実際に他の自治体等の視察の増加やデジ田交付金を活用した導入等につながっている取組が多く見られます。過去の受賞事例等の取組は、Digi田甲子園ホームページの「メニューブック」に掲載しているほか、デジタル庁の「デジタル実装の優良事例を支えるサービス／システムのカタログ」に掲載するなど、横展開を強化していく方針です。

　現在、当事務局では、令和６年度のDigi田甲子園実施に向けて準備を進めています。それぞれの地域で課題解決に向き合っておられる皆様の取組は、他の地域にとっても大きなヒントとなるはずです。本稿を通じて、「Digi田甲子園」に興味をもっていただき、自らの取組についてご応募いただければ幸いです。