東西南北デジデジ日記 vol.59 今週の担当:【東】千葉大右

地方自治

2022.12.01

「自治体×デジタル」を多彩な切り口からゆるっと考えてみる、現役&元自治体職員4名によるリレー日記。公務員の地元愛・自治体愛、職業愛って? に迫ります。(※本連載は毎週木曜更新です)

―――――2022年12月1日 Thu.―――――――

 

今年も残すところあと1か月

今日から師走です。
毎年のことながら、1年はあっという間ですね。

昨年の今頃は「デジタル社会構想会議」という会議体で発言の機会を得まして、その準備をしていました。
ここで紹介したいわゆる「書かない窓口」は、このあとデジタル田園都市国家構想推進交付金の活用事例に取り上げられ、今年度、その交付金を活用した70団体で実装される予定です。

現在有志で取り組んでいる「書かないワンストップ窓口」の普及啓発活動はここから始まりました。
関わっている有志は普通の自治体職員です。
なぜ彼らは多忙な本業の合間を縫ってこの活動に関わるのでしょうか?

そこには今回のお題である、「公務員が仕事する意識は、自治体愛? それとも公務員(職業)愛?」の答えが大きく関係していると思います。

 

地元愛とは

「自治体愛」は「地元愛」と言い換えることもできますね。

私は生まれも育ちも船橋市なので、地元愛がこの仕事に就いた大きな理由ではあります。
とはいえ、仕事に就いた当初から「この街をより良くしたい!」なんていう高い意識があったわけではなく、「地元のために働くのもいいかな~」くらいの気持ちでした。
20歳そこそこの世間知らずですから、これでも当時は十分な動機だったと思います。

では、私とは違う生まれも育ちも市外の職員に「地元愛」はないのでしょうか?
私は当事者ではないのでわかりませんが、現在住んでいる松戸市への感情がそれに近いのかなと想像できます。
私にとって松戸市は、27歳になって初めて住んだ街です。
松戸市に住んでも勤務先は船橋市ですから、地元という感覚が備わるのにはずいぶんと時間がかかりました。

でもいつからか、自分が住まう街として、地元という感覚は大きくなりました。
今は状況が許さずなかなか地元に関わることができませんが、いずれ時間にゆとりができたら、地元のための活動もしてみたいと思っています。

 

公務員の職業愛

冒頭の問である、「なぜ彼らは多忙な本業の合間を縫ってこの活動に関わるのか?」の答えは、おそらく職業愛そのものでしょう。

なんらかの施策をその街で実現するモチベーションは、地元愛・職業愛いずれもあり得ると思います。
逆に、よその街で施策の実現を手伝うのは、これは職業愛のなせる業ではないでしょうか。

そして私たち公務員、少なくとも一般行政職においては、職業愛とはパブリックマインドそのものだと思うのです。

「みんなの役に立ちたい」――なんて尊い思いでしょう。
いや、それだから公務員は甘いんだという声が聞こえてきそうですが、でも実際そうなんです。
給料が1円も変わらないのに、苦しい思いをして新しい施策に打ち込み、時には「余計なことしやがって」とか「目立ちたいだけ」といった誹りを受けることがあっても、自分がこれだと信じた施策に打ち込むことができるのは、これぞ公務員の仕事だとはいえませんか。

 

どこで実現するか

地元愛、職業愛のいずれも公務員という仕事を選択し続ける理由だと、自分で書いていて再認識できました。

でも地元愛は公務員じゃなくても満たすことはできます。
例えば市民団体でも非営利団体でも地元に関わることはできますし、むしろ特定の分野に長く関わり続けられるぶん、地元愛をより大きくすることができるかもしれません。

職業愛も同じです。
パブリックマインドは、(私の場合)地元の役所以外でも実現することができるでしょう。
むしろスコープを拡げたほうが、自分が理想とするパブリックマインドに近づくかもしれません。

地元愛や職業愛は無償ではありません。
自分が目指すもの、実現したいことがベースにあって成り立つものです。
地元愛や職業愛が「やりがい搾取」にならないよう、制度や職場環境を整えることも重要だと思います。

天の声のせいでどうにも真面目な内容になってしまいました。
本当はもっとゆるーく語りたいのになぁ。

次の私の出番は年内ラストですかね。
それではまた来週。デジデジ!

 

~次回の日記は12月8日(木)に更新予定です!~

 

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