連載 vol.49「つながる」力 多様性あるつながりこそ、大分の将来 【関 隆晴(大分県職員)】
地方自治
2022.11.11
本記事は、月刊『ガバナンス』2018年4月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「小藩分立」「一村一品」の地・大分
去る2月16日、㈶大分県自治人材育成センターで「創生人材」交流・学習会が開催された。意欲ある人材の発掘・育成・ネットワーク化を目的とした初の研修として、県内各地から約100人の意欲ある職員が集まった。ご存じ後藤好邦さん(山形市職員)の講演、県・市町村職員による自主活動(自主研+地域活動)事例の紹介やパネルディスカッション、ワールドカフェなどで盛り上がった。終了後には早速、勉強会の相互PRなど参加者同士で新たな動きも見られた。これも企画準備に奔走した仲間のおかげである。
中でも興味を引いたのは、後藤さんの講演内容に加え、自主活動事例の豊富さであった。SIMおおいたや各種ワークショップなどの活動グループ「おおいたおんせんカフェ(大分市)」、リノベーションまちづくりのユニット「DOCRE(どーくり)(佐伯市)」、町内の婚活支援グループ「しあわせ応援し隊(九重町)」……この他、まちあるきや対話会、勉強会など、前向きで行動力豊かな職員の活動事例が次々と披露された。
こうした活動グループの多様性は、大分の特徴の一つでもある。他自治体でも類似の傾向はなくはないが、大分の場合は地域づくりなど様々な場面でも同様の状況にある。悪く言えばバラバラだが、これも「小藩分立」「一村一品」の地・大分の歴史的特性、DNAともいえる。今風に言えばダイバーシティでもある。
そんな風に特徴を前向きに捉えつつも、大分の将来を考えると、「意欲ある県内グループ・人材同士がゆるやかにつながる場は絶対に必要だ!」──そうした思いが、今回の場のコンセプトにもなっていった。
私自身の自主活動開始から今回の会まで約10年を要したが、まだ先は長い。いずれは企業や大学など幅広い主体が集まり、各グループや参加者が互いの活動を磨き合い、参加者同士で化学反応が生まれる、そんな大分らしい場を創っていきたい。思いは温泉のように尽きないが、縁ある多くの仲間と、焦らず一歩ずつ「湯ったり」歩み続けようと思う。
(大分県職員/関 隆晴)