
特集:自治体職員の魅力をどう高めるか──人手不足時代の自治体人材マネジメント
生産年齢人口の減少による人手不足を背景に、自治体職員の人材確保が厳しさを増している。優秀な人材を採用していくためには、自治体そのものやそこで働く職員の魅力を高めていくことが求められるのではないだろうか。「選ばれる」自治体になるための職場づくりを考えてみたい。
■人手不足時代に「選ばれる」自治体の条件/大杉 覚 首都大学東京大学院教授

■北海道に見る公務員就職事情──道職員内定辞退6割の背景/山崎幹根
■厳しさを増す採用環境──自治体職員の競争倍率最低に/武司智美
■就職先としての自治体──学生は何を求めているのか/大谷基道
■AI化・外部化の中でどう自治体職員を育てるか?/廣川聡美
■魅力ある職場づくりは非正規の雇用安定と処遇改善から/上林陽治
■公務員が「カッコイイ職業」になれば社会が変わる/脇 雅昭
■“感情労働”とのうまい付き合い方/関谷大輝
〈取材リポート〉
◇副業促進などの働き方改革で地域に飛び出す職員を養成──奈良県生駒市
スキルアップ特集:地域に出て わがまちをもっと知ろう!
これまでの担当業務の中では、地域に出て住民と接する経験や、まちを歩いて魅力や課題を発見する機会の少なかった職員もいるでしょう。しかし、地域に足を運び、わがまちを知ることは、自治体職員として重要です。現場に出向いたからこそ、わかることや得られることはたくさんあるはず。積極的に地域に出かけて、それらをまちづくりに活かしていきましょう!
◆まちに出かけ地域と向き合い、現場から学ぶ/岡﨑昌之
〈取材リポート〉
◇「なかなかええやん!発信隊」を若手で結成し貝塚の魅力を発信──大阪府貝塚市
◇若手職員が地域へ出向く「地域活動きずな研修」──兵庫県宝塚市
スキルアップ連載
■管理職って面白い!/定野 司
■ファシリテーションdeコミュニケーション/加留部貴行
■職場の問題解決!事例で学ぶ人財マネジメント講座/高嶋直人
■クレーム対応駆け込み寺/関根健夫
●新連載スタート!
□「立法分権」の戦略/礒崎初仁
□AI・地域・幸福──自治体公共政策の新展開
/広井良典+京都大学こころの未来研究センター+日立京大ラボ・北大ラボ
□いのち支える人々──自殺対策の現場から/玉木達也
□一歩前へ!30代に贈る“錆びない”自分磨き/堤 直規
──────────────────────────────────────
●Governance Focus
◆[熊本地震から2年]
「被災者の利益」を基準に覚悟を持ってスピーディーに判断/大西一史・熊本市長に聞く
2016年4月14日、16日に発生した熊本地震から間もなく2年。熊本市は死者数82人(直接死6人、関連死76人、2月28日現在)、住家被害13万5217件(同)という甚大な被害を受けた。最大避難者数は市人口の7人に1人に当たる11万人に達し、市役所も大混乱に陥った。対応の不手際も含め熊本地震の経験を全国に伝えている大西一史市長に2年間の思いを聞いた。
●Governance Topics
□「数」「短期」「政策依存」を乗り越えるには「プロセスデザイン」が重要
/JC総研シンポジウム
□総合賞は自転車を活かしたまちづくりをめざす京都市チームが受賞
/チャレンジ!!オープンガバナンス2017
──────────────────────────────────────
取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像/稲村和美 兵庫県尼崎市長
「ひと咲きまち咲きあまがさき」の自治のまちづくり。
施策評価のPDCAサイクルで行政の体質改善を進め、自治のまちづくりをめざす。震災ボランティアの体験が私の「自治」の原点という稲村和美・兵庫県尼崎市長(45)に聞いた──。

□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
会津若松隊の秘められた思い【「双葉消防」125人の6年間(14)】
原発事故、続く苦悩
職員の大量退職で組織の危機に瀕した福島県双葉地方広域市町村圏の消防本部。最後の手段として、全国の消防本部に隊員の応援派遣を要請した。県内外から2週間交代で半年間、計195人の派遣を受ける。そうした隊員の中には、発災後の急性期に双葉郡へ向かったものの方向転換を指示され、心の中に葛藤を抱え続けてきた人もいた。
□現場発!自治体の「政策開発」
市民が夢とアイデアを練り30年後の未来図を描く
──ふくやま未来づくり100人委員会(広島県福山市)
広島県福山市は、公募市民で組織する「ふくやま未来づくり100人委員会」を設置し、30年後の福山のまちのあり方について検討した。ワークショップ形式で夢とアイデアを出し合い、テーマを共にする部会に分かれて未来図を描く試みだ。将来を担う学生からシニアまで幅広い世代が参加し、ファシリテーターの下、フィールドワークや市民応援団との意見交換会なども交えながら1年間で未来図を完成させた。
□人口減少・地域再生に挑む/葉上太郎
人災だったのか
──福井豪雪。気候変動と効率化が生んだ「想定外」
2018年2月、福井県を局地的な豪雪が襲った。国道8号線で自動車約1500台が身動きできなくなったほか、同県内で12人の死者が出たのだ。福井市で37年ぶりに積雪が140㎝を超えるなどしたことから、「想定外」の豪雪であったと報じるメディアもある。だが、本当にそうなのか。「近年の温暖化傾向で豪雪はないと思い込み、準備を怠っていたために、被害を拡大させたのではないか」。多くの住民がそう自問する。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
若者の意見などを踏まえ、より住民目線でわかりやすい「議会だより」へ
──熊本県大津町議会
熊本県大津町議会は高校生や大学生、PTA役員などの意見を踏まえて「議会だより」のリニューアルに着手。また、2017年6月には熊本地震発生後の議会対応の反省を踏まえ、議会災害時対応基本計画(業務継続計画)を策定した。町民により身近で、信頼される議会に向けてステップアップを図る同町議会を取材した。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 真の統合教育を目指して
□「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ/後藤好邦
2017年度、心に残った3つの言葉
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 広瀬淡窓(十三) 地方行政への還流的影響
──────────────────────────────────────
□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『ルポ 地域再生──なぜヨーロッパのまちは元気なのか?』志子田徹]
カラーグラビア
□自治・地域再興
[寺島 渉・前長野県飯綱町議会議長]
「チーム議会」で政策に強い議会に

住民と議員との協働で政策を検討する政策サポーター制度や議会だよりモニター制度などで注目される長野県飯綱町議会。昨年10月まで8年間議長を務め、改革の先頭に立ってきた寺島渉氏は2017年11月のマニフェスト大賞でグランプリを受賞した。議員引退後は地域政策塾を立ち上げるとともに区長として集落再生に挑んでいる。寺島氏は「『チーム議会』で政策に強い議会に」と全国の町村議会にエールを送る。
□山間海間/芥川 仁
代々続く漁師たちの絆──長崎県南島原市深江町
□手業手技/大西暢夫
シリンダーで日本の産業を支える──旋盤職人・岩井仁(東京都大田区)
□ドキュメントW──戦火の日常を撮る/綿井健陽
突き刺さった“破片”
□人と地域をつなぐ─ご当地愛キャラ/カミスココくん(茨城県神栖市)
□クローズ・アップ
今しか見られない!──熊本城復元の姿も観光資源
──────────────────────────────────────
■DATA・BANK2018 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
──────────────────────────────────────
*「もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク」は休みます。