こちら「守口市」情報化本部 全庁横断の「DX推進特命チーム」と連携して「来させない・待たせない・書かせない」窓口の実現を目指す
地方自治
2021.12.22
この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2021年12月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。
こちら「守口市」情報化本部
全庁横断の「DX推進特命チーム」と連携して「来させない・待たせない・書かせない」窓口の実現を目指す
大阪府のほぼ中央に位置する守口市。市民サービスの充実と行政能率の向上を追求するため、ICT化の司令塔となる「デジタル戦略課」を創設。庁内におけるDXのさらなる推進に力を注いでいる。
「暮らしやすさがちょうどえぇ」まち守口市
京都から大阪湾に流れる淀川の左岸、大阪府のほぼ中央に所在する守口市。
市内には、京都と大阪を結ぶ京阪電車が通るほか、地下鉄や大阪シティバス、さらに大阪国際空港に至るモノレールの大日駅もあり、まさに各地からのアクセスの要衝となっています。大阪の中心街である梅田にも地下鉄で15分ほどと交通の利便性が非常に高いまちです。
また、京街道の宿場町として栄えた守口市は、悠久の歴史を今に伝える寺社仏閣なども多数点在しています。
本市では、2021年度に第6次守口市総合基本計画を策定し、「いつまでも住み続けたいまち守口~暮らしやすさが、ちょうどえぇ~」を将来都市像に掲げ、子どもや若い世代が夢を育み、すべての世代の皆さんが誇りと愛着を感じながらいつまでも住み続けたいと思えるまちの実現に取り組んでいます。
特に、若い世代が安心して子育てを行い、子どもといきいきと暮らせるよう、子育てや教育のさらなる充実を図るため、2017年度からは全国に先駆け、0歳児からの幼児教育・保育の無償化に取り組むとともに、2022年1月からは子ども医療費助成制度を18歳まで拡充させるなど子育て世代が魅力に感じる取り組みを実施し、将来都市像の実現に向け、今後とも市民サービスの充実を図ることとしております。
デジタル戦略課の紹介
本市ではさらなる市民サービスの充実と行政能率の向上を図る上で、政府が掲げるDX推進と庁内におけるICT化を強力に推し進めるため、2021年4月に「デジタル戦略課」を創設しました。
デジタル戦略課には、民間企業において情報処理の実務経験がある職員のほか、庁内公募により選出されたデジタルマインド溢れる職員も配属されています。また、システム開発の経験を持つ即戦力人材を任期付職員として採用し、より一層の体制強化を図ることで、DX推進に実効性のある組織体制を整備しました。
今後は、各担当課との調整や助言・支援を行うことはもちろんのこと、庁内におけるDX推進の司令塔として、各担当課とともに「現場の実情に沿った課題への解決策」を見出すため、全職員のデジタルに対する意識改革にも取り組んでいくこととしています。
庁内の情報化への取り組み
■DX推進特命チームの発足
オンライン申請システムの導入やAI-OCR・RPAの全庁展開などを検討するため、2021年8月には、全庁を横断した「守口市DX推進特命チーム」が発足しました。各担当部局から総勢22名の精鋭が構成員として任命され、市長から直接訓示を受けました。
これからは、情報担当が選定したシステムを導入し、現場がそれに合わせた運用を考えるだけではなく、特命チームの構成員自らが、各部局の事務担当者に必要な機能や要件を聴取し、ときには担当課を横断した議論を活発に行いながら、「市民の皆さんが真に求めている機能なのか」「職員の負担が軽減され、効率的な業務の遂行に役立つものか」という目線で、BPRも含めたICTの利活用の検討を行っていくこととしています。
DX推進特命チームが発足したことにより、全庁でデジタル化を考えていこうという雰囲気の変化を感じています。
■「DX通信」の発行
また庁内通信「DX通信」を発行し、デジタル化や業務改善に関する情報を定期的に発信することとしました。「業務改革、価値創造を考えるきっかけに」を目標に、おおよそ1か月に1回のペースで発行しています。
内容はチャットツールの活用術やDX用語の解説など多岐にわたりますが、デジタルを少しでも身近に感じてもらうため、発信内容を課内で闊達に議論しています。堅苦しい内容ばかりにならないよう、「coffee break」コーナーでは、デジタルの豆知識を紹介するなど少しでも多くの職員に興味を持ってもらうため、編集にいろいろと工夫を凝らしています。
今後に向けて─全庁で取り組むDX─
現在、庁内におけるDXをさらに推進し、「来させない・待たせない・書かせない」窓口の実現に向け、様々な課題について検討しています。2022年度にはオンライン申請システム及びRPAの全庁展開に加え、「おくやみ窓口」の実現を予定しています。
また、これからの「ウィズ・コロナ時代」では、引き続き感染症対策の一環として「3密」を避け、自治体の窓口混雑を緩和する取り組みが大切であり、そのためにも窓口のデジタル化を推進することは重要であると考えます。
そのため、今後も、様々なシステムが導入されることとなりますが、これらシステムの運用が開始された後にも、新たに生まれる課題に対し、より良い運用を日々追求していくことは必要不可欠です。
今後の「DX成功の鍵」は、職員のデジタルに対する意識改革であり、デジタルに対する意識の変化によって、全庁一丸となって住民サービスのあり方や新たな価値創造、業務改善を実効的に検討できる風土が生まれることで、ますますのDX推進につながるものと感じています。