連載 vol.21「つながる」力 「つながり」とは、人格・知識の涵養の場。つながることで一人では成し得なかったことも実現できる 【尾野智昭(北海道・苫小牧市職員)】
地方自治
2021.11.22
本記事は、月刊『ガバナンス』2015年12月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「つながり」とは、人格・知識の涵養の場。つながることで一人では成し得なかったことも実現できる
『つながり』の先にあるもの。組織の限界を補うのは個の力。ただし、個にも限界はある。その限界を補うのは個のつながり。だからこそ、ネットワークを持つことが大切。つながりが広がれば広がるほど、可能性は広がる」
これは、ある人から教えてもらった言葉だ。
私は1999年に北海道苫小牧市役所へ入所した。初めて「つながり」を意識したのは2005年頃のこと。当時、納税課にいた私は江別市にあった自治政策研修センターで研修を受講し、数日間、他市町村の職員と寝食を共にした。そして、研修終了後、知り得た仲間と小さなメーリングリストを立ち上げた。この自主的なグループは情報交換に留まらず、札幌で定期的に研修会も開催。現在は道内外から人が集まり、NPO法人として運営をしている。
ここがひとつの分岐点だったと思う。その後、さまざまな場に足を運んでみた。人と出会い、学び、つながる。良い刺激を得て、モチベーションを上げることができ、自然と視野も広がってきた。
ある時、苫小牧には経営者等の集まりはあるが、雇われている側の集まりがないことに気づいた。自分と同年代の人たちが10年、20年経つと、その会社や団体のキーマンになるはず。これを今つなぐことで、今後、何かができるかもしれないと考え「とま☆100」という異業種交流の場を作った。名称の由来は、「とまこまいで友だち100人つくろう!」。様々な業種・職種の人たちが集まり、一見たわいのない話から多くの「気づき」や「ヒント」が得られ、新鮮な気持ちになれる。また、参加者同士の「つながり」から新たな連携が生まれたり、人生を大きく変える出来事も実際に起こっている。
私にとって「つながり」とは、人格・知識の涵養の場だ。つながることで一人では到底成し得なかったことも実現できる。今ではプライベートや仕事で困ったことがあれば、SNSを通して各地に相談できる仲間がいる。
次の出会いを求め、また一歩、踏み出そうと思っている。
(北海道・苫小牧市職員/尾野智昭)