連載 vol.6「つながる」力 「つながる」ことで新たなネットワークができ、情報、さらなる見識が生まれる 【可知昌洋(岐阜・恵那市職)】
地方自治
2021.06.21
本記事は、月刊『ガバナンス』2014年9月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「つながる」ことで新たなネットワークができ、情報、さらなる見識が生まれる
岐阜県恵那市は合併して今年で10年を迎える。
合併当時、どこの市町でもそうであったように、地域を結ぶ人と人との交流が進まず、少子高齢化により地域自治の担い手が少なくなっていく中、行政主導ではなく市民一人ひとりが思いを持ち、参加できる夢のあるテーマを市民自らが作ることが必要と考えた。そして映画を使って人をつなげていくことでふるさとを思う人たちを増やしていこうと、映画「ふるさとがえり」は生まれた。
この映画は鑑賞するだけではなく、自分のまちを考えるきっかけづくりの場として活用され、これまでに全国各地で1000回以上の上映をしていただいている(感謝!)。映画のあらすじや詳細は「ふるさとがえり」で検索していただければと思う。
行政は多くの情報が集まる場所であるとともに、地域の人材を知ることができる立場にあると思う。映画の制作にあたり私自身が行ったことは、映画を使ったまちづくりという情報を見つけ、それに賛同する人をつなげる、ブリッジパーソンとしての役目だったと感じている。そして映画に関わる中で、傍観者ではなく、自身が「〇〇をしたい」と強い思いを持ちアクションを起こすと、不思議と人と人がつながるものだと感じた。
実際、この映画制作で一緒に活動することで、多くの人とつながることができ、思わぬところで共通の知人がいて驚くこともあった。さらに映画を通じて全国のまちづくり活動をしている人とつながることができた。
映画を契機につながった市民は、今後の住民との潤滑油になるばかりでなく、協働のパートナーとして、良好な関係が生まれる基となる。また、「つながる」ことで新たなネットワークができ、情報、さらなる見識が生まれた。
余談だが、映画の資金活動を進めていく中で、ロシアのギタリストによるチャリティコンサートを開催することになり、このつながりでロシア大使館のレセプションに招待された。映画を作ろうと思わなければ、一生ロシア大使館に入る機会はなかっただろう。
(岐阜・恵那市職員/可知昌洋)