連載 vol.4「つながる」力 「つながる文化」を根付かせたい 【佐藤陽介(北九州市職員)】
地方自治
2021.06.07
本記事は、月刊『ガバナンス』2014年7月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「つながる文化」を根付かせたい
東日本大震災後、私は東北まちづくりオフサイトミーティング(以下「東北OM」)と関わるようになった。そこで目の当たりにしたのは、様々な地域の人々がオン・オフサイトでつながり、そこから発生した多くの奇跡であった。
出身が違えば価値観も違う。その違いが新鮮であり、面白い。参加者は皆楽しく活動に参加しており、それゆえに連携し新しい動きを生む。「つながる」ことがこの好循環を生み、東北OMが東北に「つながる文化」を根付かせていると感じた。この経験を踏まえ、九州にもつながる文化を根付かせたいと思い、「九州を愛する人が集うプラットフォーム」として九州OMを立ち上げた。
九州OMではオンサイトの活動としてフェイスブック上のグループ内交流、オフサイトの活動として「九州交流カフェ」を行っている。私個人としては、多くのメンバーに九州交流カフェに参加していただき、実際に現地に足を運んで地域間交流を深めて欲しいと考えている。実際に現地に足を運び、現地の人々と交流するからこそ、主催地・参加者双方が得られるものが非常に多いと考えるからだ。
例えば、主催地側は、外部目線で自分たちでは気づかなかった魅力を発見でき、それが自信となりモチベーションを高めることができる。他方、参加者側は、主催地の事例を知見として得られるだけでなく、わがまちを客観視するきっかけを得ることができる。そして何より双方の地域がつながり、ノウハウの共有やコラボなどまちづくりの選択肢が広がってくる。
これらのことは、双方のまちづくりにとって大切なことだと考えている。これまで福岡市と長崎県諫早市でミーティングを開催したが、各々のまちから事例紹介をしていただき、参加者が多くの気づきとつながりを得て、その後の交流事例が複数報告されている。
今後の目標は、九州全県で九州交流カフェを開催し、より多くの人につながってもらうことである。フェイスブックで「九州まちづくりオフサイトミーティング」と検索し、参加していただければ幸いである。
(北九州市職員/佐藤陽介)