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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2020 月刊「ガバナンス」2020年12月号

地方自治

2020.12.28

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月刊「ガバナンス」2020年12月号

●鳥取県産和牛の遺伝資源保護と振興に向けて条例を制定

 鳥取県(56万6100人)は、「県産和牛の保護及び振興に関する条例」を制定し、10月13日に施行した。大正時代から全国に先駆けて和牛登録制度を確立し、和牛の改良において特別な地位を占めてきた県有種雄牛の遺伝資源の知的財産的価値を未来へと引き継ぎ、県内の畜産業と関連産業の健全な発展を図るのがねらい。何人も県有種雄牛の遺伝資源をみだりに県外に流出させてはならないことを宣言し、県は県有種雄牛の持続的な造成とその 遺伝資源の保護・活用に取り組むことを明記している。

 条例は全10条。県は、県有種雄牛の遺伝資源を知的財産として位置付けた上で、①県有種雄牛のうち特に重要な遺伝資源として厳格な管理を必要とする特定種畜を告示し、②特定種畜の家畜人工授精用精液を利用させるときは当該精液の所有権を県に留保し、生産した受精卵と子牛を県と当該精液使用者の共有とする契約を締結するなど保護に必要な措置を講ずる、③県有種雄牛の造成を計画的に進めて家畜人工授精用精液の安定的な供給を図るとともに、県有種雄牛の遺伝資源の適正管理のための告訴・告発・差止請求など必要な措置を講ずる――ことを規定。また、▷県有種雄牛の遺伝資源保護と和牛産業(生産から加工、流通、販売の事業)振興に関する計画の策定、▷県・生産者・関係者の連携・協力、▷県産和牛生産者の経営安定のための施策の実施、▷県産和牛の加工・流通の高度化と販路拡大の促進のための施策の実施、▷県産和牛の産肉能力と繁殖能力の改良促進支援などの施策の実施、▷和牛産業振興のための研究開発、▷全国和牛能力共進会等への出品に対する支援――などについて定めている。県外流出に対する罰則規定は設けておらず、20年10月施行の「家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律」の罰則規定に委ねることとしている。

(月刊「ガバナンス」2020年12月号・DATA BANK2020より抜粋)

●旅館等従業員のPCR検査の財源として入湯税を引上げ

 栃木県那須塩原市(11万7700人)は、10月から市内ホテル・旅館従業員対象に定期的なPCR検査を開始し、その財源として入湯税の引上げを実施していく。

 従業員対象のPCR検査は、市が策定したコロナ禍における「新しい観光のあり方」に基づく新型コロナウイルス感染症対策調査事業として実施するもので、観光地の安心・安全を確保するのがねらい。同時に、観光客にも一定の責任を求める「責任ある観光」(レスポンシブルツーリズム)を推進するため、事業費の一部を観光客に負担してもらうこととし、その具体的方法として宿泊者対象の入湯税の税率を引き上げることにした。

 引上げは宿泊料金に応じた段階的なものとし、1人1泊の入湯税150円を、宿泊料金1万円以下では50円引き上げて200円、同1万1円〜2万円では100円引き上げて250円、同2万1円以上では200円引き上げて350円とした。また、日帰りの場合の入湯税50円と修学旅行等の入湯税20円は引上げの対象外とし、12歳未満と共同浴場等は課税免除としている。

 入湯税の引上げ期間は、12月1日から22年3月31日まで。

(月刊「ガバナンス」2020年12月号・DATA BANK2020より抜粋)

●防災行政無線放送をJ:COM「防災情報サービス」で配信

 大阪府田尻町(8800人)は、防災行政無線の放送内容を、J:COMの「防災情報サービス」の戸別受信機を通じて配信するサービスを8月1日から開始した。

 ジェイコムウエストりんくう局と実施したもので、気密性の高い住宅など防災行政無線が聞き取りにくい室内でも放送内容が明瞭に聞き取れることから、災害時の情報伝達に力を発揮すると期待されている。また、戸別受信機からは気象庁が発報する緊急地震速報も大きな音と光で配信。受信機にはFMラジオの機能も搭載されており、災害時に持ち出してFMラジオとしても利用できる。

 設置工事費と設置月を含む1年間の月額利用料は無料。1年経過後は、町が利用料の9割を助成し、J:COM加入者は月額33円(税込)、加入していない者は月額55円(税込)で利用できる。受信サービス利用料への助成は全国初。

(月刊「ガバナンス」2020年12月号・DATA BANK2020より抜粋)

●文化芸術活動の再開支援のためのふるさと納税型クラウドファンディング(CF)を実施

 京都市(141万2600人)は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、アーティストや文化芸術関係者の活動が制限される中、文化芸術活動の再開を支援する「ふるさと納税型クラウドファンディング」を実施している。

 支援するのは、アーティストを支援する「文化芸術活動再開への挑戦サポート交付金」と、発表・鑑賞拠点を支援する「文化芸術活動再開への発表・鑑賞拠点継続支援金」の2事業。挑戦サポート交付金は、個人・団体から新たなモデルとなり得る意欲的なプロジェクトを募集して、採択されたプロジェクトが対象。発表・鑑賞拠点継続支援金は、市内にある文化芸術活動の発表・鑑賞を主たる目的とする施設が対象で、アーティストの制作・発表の機会が急速に失われている民間スペースを支援するのがねらい。いずれも、市が実施するふるさと納税型CFにより寄附を募り、寄附金と同額を市が上乗せし、交付金として交付する。挑戦サポート交付金は、上限が200万円。

 採択件数は、挑戦サポート交付金が11件(応募106件)で、発表・鑑賞拠点継続支援金が75件(応募80件)。CFは11月13日まで実施し、いずれも成立した。

(月刊「ガバナンス」2020年12月号・DATA BANK2020より抜粋)

●AIが適したスポーツを提案する「サガスカウト」を実施

 佐賀県(82万8800人)は、世界に挑戦するアスリートの育成を目指す「SAGAスポーツピラミッド構想(SSP構想)」の一環として、今年度よりジュニアアスリートを発掘する「サガスカウト」を実施している。

 サガスカウトでは、自分に向いているスポーツが分からない子どもたちが、8つの簡単なスポーツテストを受けることで、AIが、測定結果から「パワー」「体格」「器用さ」「敏捷性」の4大要素を分析し、80種類のスポーツの中から自分に向いている5種目を提案する。

 対象となるのは、県内の小・中学校に在学している児童・生徒で、テスト内容は、室内で反復横跳びや垂直跳びなどのを実施し、測定するというもの。9月から、21年2月まで、全6回の実施を予定している。

 県が「サガスカウト」の参加者の募集を8月から開始したところ、3日間で全会場が満席となるなど好評だったのを受けて、各会場の定員を増員し、追加募集を行った。例えば、9月20日実施の会場はSAGAサンライズパーク総合体育館で定員は240人だったが、40人を追加募集し実施した。

(月刊「ガバナンス」2020年12月号・DATA BANK2020より抜粋)

●災害時死亡者などの氏名公表の対応方針を策定

 熊本県(178万100人)は、災害時における行方不明者・死者の氏名等の公表についての対応方針をまとめた。「県民の財産である県政情報は、基本的に公開し、個人情報など守らなくてはいけないものは守る」を基本的なスタンスとし、災害時における行方不明者・安否不明者、死者の氏名等については、全国標準的な公表基準が示されるまでの間、原則的に公開することにした。ただし、行方不明者・安否不明者は住民基本台帳の閲覧制限がある場合、死者はさらに遺族の同意がない場合は非公開とした。

 死者の氏名が非公開であっても、年代、性別、居住市町村、死因などについては公表する。また、遺族の同意がなくても「より高い公益上の必要性」がある場合は公表することにし、「より高い公益上の必要性」として救命救急活動に支障が生じる場合や、死者が公的機関などの要職にあり、その存否が社会的に広く影響を及ぼす場合などを想定している。

(月刊「ガバナンス」2020年12月号・DATA BANK2020より抜粋)

●Withコロナ時代の新たな働き方を目指し「副業人材」40人を公募

 神戸市(153万8000人)は、広報に関する専門的なスキルや知識を持つ「副業人材」40人の公募を開始した。

 市では、これまでも「チーフイノベーションオフィサー」、「クリエイティブディレクター」など、専門的なスキルや知識を持つ民間人材(ジョブ型雇用)を積極的に登用してきた。新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークが普及し働き方の多様化が進む中、新たな取組みとして、民間企業の社員やフリーランスとして働いている副業人材に「HPのモニタリング」、「SNS・広報紙記事制作」、「動画の企画」、「広報媒体作成」などの広報業務をオンラインで委託することとなった。

 今回の大きな特徴は、原則として、登庁を伴わないオンラインでの業務であり、東京などに在住していても、時間・場所にとらわれることなく市の業務に携わることができる点。市が求める人材は、①広報に関する専門的なスキル・知識・経験を持っており、②副業として、市の広報業務に携わりたい人。募集人数は40人程度。市では、▷東京一極集中の是正手法を提案し、有能な人材の市の業務への参画▷市職員の働き方改革・業務の高度化――などの効果を期待している。

(月刊「ガバナンス」2020年12月号・DATA BANK2020より抜粋)

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