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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2020 月刊「ガバナンス」2020年6月号
地方自治
2020.06.29
目次
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月刊「ガバナンス」2020年6月号
●迷惑行為の防止に関する県条例の一部を改正
岐阜県(204万4100人)は、「県公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例」の一部を改正した。
県内では近年、学校、事務所等における痴漢、盗撮等の行為や、住居等のプライベートな場所における盗撮などの卑わいな行為、また行動を監視しているような事項を告知する等の嫌がらせ行為が発生していた。しかし、改正前は条例の規制対象外であったため十分に対処できない状況だった。
そこで、これらの迷惑行為を防止し、県民や滞在者などの安全で平穏な生活を保持するために、条例の一部改正を行うとともに、名称を「県公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例」から「県迷惑行為防止条例」へと改めた。
改正のポイントは大きく以下の4点となっている。
・条例名称の変更
・痴漢の規制場所の拡大
・のぞき、盗撮の規制場所の拡大
・嫌がらせ行為の違反形態の追加(改正前の5形態から8形態へ)
違反した場合は、6か月以下の懲役と50万円以下の罰金が課せられ、常習者は罰則が重くなる。改正された条例は、20年4月1日から施行。
(月刊「ガバナンス」2020年6月号・DATA BANK2020より抜粋)
●経済雇用対策や生活困窮世帯への現金給付など独自の緊急支援パッケージを実施
埼玉県戸田市(13万9600人)は、新型コロナウイルスの感染拡大が市民生活に甚大な影響を及ぼしていることから、「迅速、簡潔、安心」をめざした「新型コロナ対応緊急支援パッケージ」を実施している。
同支援パッケージは、①緊急経済雇用対策、②緊急生活支援対策、③緊急感染症予防対策の3本立て。①では、売上が減少した市内の小規模事業者や個人事業主などに一律10万円を給付。また無利子・無保証料の制度融資も行う。②では、ひとり親や就学援助世帯など、生活に困窮する子育て世帯に一律3万円を給付。新型コロナウイルスに関連した生活困窮の子育て世代に絞った支援は全国でも珍しいという。③では、電子人工呼吸器やマスクなどの感染防護資機材等の配備や、医療機関、福祉施設などへの支援といった感染症予防に関する地域医療福祉体制を守る施策を打ち出した。
財源については、20年度のオリンピック関連イベントの中止や事業の見直しによって費用を捻出するとともに、防災減災基金や財政調整基金を活用。さらに21年度以降の教育を除く施設整備事業の実施時期見直しによって、財政負担を軽減するとしている。
(月刊「ガバナンス」2020年6月号・DATA BANK2020より抜粋)
●緊急時生活支援チームを設置
愛知県東海市(11万5000人)は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑制するため、自宅待機を要請された市民とその家族を対象に、生活の継続に必要な支援を行う緊急時生活支援チーム「COVID19」を設置した。対象者は、濃厚接触者とその家族、海外からの帰国後、自宅待機を要請された市民とその家族。生活支援ホットラインを開設するほか、生活に必要な食糧や日用品の買い物代行サービスを行っている。
(月刊「ガバナンス」2020年6月号・DATA BANK2020より抜粋)
●「ケアラー支援条例」を制定
埼玉県(737万7300人)は、「県ケアラー支援条例」を制定した。ケアラーとは、高齢や身体上・精神上の障害、疾病等により援助が必要な親族・友人・身近な人に対して無償で介護・看護・日常生活上の世話などの援助を提供する人。その支援に向け、県の責務と県民・事業者・関係機関の役割を明記しており、特に18歳未満のケアラーをヤングケアラーと定義し、支援のあり方を記したのが特徴。議員提案で制定したもので、ケアラーの支援条例は全国初となる。
条例は全14条。基本理念として、ケアラーへの支援は、ケアラーが個人として尊重され、健康で文化的な生活を営めるように、また、ヤングケアラーの支援は、社会において自立的に生きる基礎を培い、人間として基本的な資質を養う重要な時期であることに鑑み、適切な教育機会の確保や心身の健やかな成長・発達と自立が図られるように行うことを明記している。その上で、ケアラーの支援施策の実施等を県の責務とし、ケアラー支援の基本方針や具体的施策等を定めた「推進計画」の策定、広報啓発・人材育成・民間支援団体等による支援の推進・体制整備などの主要な施策を規定している。20年3月31日から施行。
(月刊「ガバナンス」2020年6月号・DATA BANK2020より抜粋)
●離乳食についての講話や実演を動画で公開
岡山県備前市(3万4800人)は、新型コロナウイルス感染症対策として、離乳食についての講話や実演、「4か月児健診」と「かみかみ離乳食と歯の教室」を、動画で公開した。これらの講話や実演は、対面で毎月実施していたが、県内感染者の発生状況から当分中止としたため、保護者の不安を少しでも軽減するために動画を作成し、市HPやYouTubeなどで閲覧できるようにした。
動画は、4か月児を対象とした「はじめての離乳食」、10か月児を対象とした「かみかみ離乳食のポイント」「かみかみ離乳食の調理編」の3本。市の栄養士が、離乳食の開始時期やすすめ方、作り方の実演、レシピの紹介などについて、講話形式で紹介している。
またアレルギーなどの悩みごとに対しては電話で相談を受け付けることにしている。
(月刊「ガバナンス」2020年6月号・DATA BANK2020より抜粋)
●宅配大手などと村営バスでの貨客混載による荷物の配送事業を開始
宮崎県西米良村(1200人)は20年3月から、佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸、日本工営と共同で、同村小川地区等において村営バス(自家用有償旅客運送車両によるコミュニティバス)での貨客混載による荷物の配送事業「カリコボーズのホイホイ便」をスタートした。小川地区の輸送系サービス水準を維持するとともに、村営バス運行関係者および宅配事業者の負担軽減を図る仕組みの確立がねらい。
小川地区は、村営バスが平日に1日3往復、土日祝日に1往復運行しているが、人口減少により輸送人員が低迷し、運営が厳しい状況にある。また、宅配事業者にとっても、集配効率が低下しつつある状況となっていた。ホイホイ便は、村の中心部である村所地区から小川地区までの約21kmの区間で旅客と宅配荷物を村営バスに載せた貨客混載として運行したあと、小川地区で村の委託配達員が村営バスから宅配荷物を受け取り、各戸へと配達するというもの。各社の宅配荷物の共同配送のほか、地区住民や村内事業者が、両地区の間で荷物の輸送を行う手段としても活用できる。
貨客混載の取組みは、既に全国各地で実施されているものの、宅配大手3社による共同実施は全国初で、村営のコミュニティバス(白ナンバー)で実施するのも極めて画期的な取組みという。このような人とモノの移動統合化の取組みにより、人口減少及び高齢化が進展する地域での効率的な配送モデルの確立、村営バスの維持、村内の物流サービスの円滑化、CO2の排出量の抑制による環境負荷の低減、委託配達員による高齢者の見守りなど、統合的な住民サービスの展開・向上を行っていくとしている。
なお、ホイホイ便実施に至る調査検討及びコーディネートに関しては、日本工営福岡支店が技術支援を行っている。
(月刊「ガバナンス」2020年6月号・DATA BANK2020より抜粋)
●2歳以降の長期育休支援制度を独自に実施
東京都江戸川区(69万8000人)は、2歳以降の長期育休支援制度を開始した。国の育児休業制度が最長で子どもが2歳になるまでを対象としているのに対し、2歳以降も引き続き安心して子育てに専念できるよう区独自に創設した支援制度で、全国で初の取組みという。
具体的には、2歳以降も育児休業の取得を可能にした区内事業所を区が子育て先進企業として認定し、代替従業員にかかる求人広告費や育休者との賃金差額を補助する。また、認定事業所に勤務し育休を取得する区内在住の従業員に対し、国の育児休業給付金と同水準(給料の50%相当)の支援金を支給する。
認定対象は資本金や従業員数等が一定基準以下の中小企業等で、支援対象の育休者は同認定事業所に勤めている区民。区は、認定事業所に対し、①育休者等の代替従業員にかかる求人広告費の2分の1(上限50万円)②代替従業員の賃金月額が育休者の賃金月額を上回る場合の差額の2分の1(上限1か月12.5万円)を補助する。また、育休者に対しては、長期育休支援金として、国の育児休業給付金(育休開始後6か月以降の金額)と同額を支給する。補助・支援金の対象期間は最長で3歳の年度末まで。
(月刊「ガバナンス」2020年6月号・DATA BANK2020より抜粋)