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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2020 月刊「ガバナンス」2020年7月号

地方自治

2020.07.31

自治体最新情報にアクセス DATABANK
月刊「ガバナンス」2020年7月号

●新型コロナの対応状況管理システムを開発

 大阪府(884万9000人)は、サイボウズ社が提供する業務アプリ開発プラットフォーム「kintone(キントーン)」を活用し新型コロナウイルス対応状況管理システムを開発した。これまで保健所や各対応班がそれぞれExcelなどに入力していた各種情報を、Web上で一元管理を行うシステムで、各所管からリアルタイムで入力された情報から、感染状況や病院施設の空き状況などを集計・グラフ化して最新情報を速やかに共有し、患者受入先調整などの業務を効率化するのがねらい。

 また、患者がPCやスマートフォンからオンラインで健康観察(体温や症状変化などの報告)できるWeb入力フォームを用意し、健康観察に関する患者や保健所の負担軽減、事務効率化を図り、感染者が増加した場合にも迅速に対応できる体制を整えた。

(月刊「ガバナンス」2020年7月号・DATA BANK2020より抜粋)

●中心部へのオフィスビル誘致に税優遇制度を創設

 神戸市(153万8000人)は、市中心部へのオフィスビル誘致に向けて、固定資産税・都市計画税を軽減するオフィスビル建設促進制度を創設した。同制度では賃貸するオフィスビル部分だけでなく、まちの賑わいやビル入居者の利便性を向上する商業施設部分も税優遇の対象としているのが特徴で、全国でも初めての優遇制度とみられている。

 市では、ポートアイランド第2期などの産業用地へ企業を集積して神戸経済の活性化を図るため、特定事業を行う企業を対象に固定資産税等を軽減する優遇制度を設けており、その結果、産業用地への企業集積が進んで一定の効果が得られている。そこで、市中心部へのオフィスビル建設促進制度を新設することによって、産業用地への企業誘致からオフィスを中心とした企業誘致へ転換し、オフィスビル不足を解消して中心部の業務機能を高めることにした。「市企業立地等の促進のための支援措置に関する条例」と同条例施行規則および告示を制定して実施している。

 税優遇制度の対象となるオフィスビルは、市内主要駅周辺の約4000haのエリア(市都市空間向上計画における広域型都市機能誘導区域)に新設される延べ床面積3000㎡以上のビルで、かつ共用部分を除く床面積について、①賃貸借するオフィスの床面積が全体の25%以上で②住宅等の床面積が全体の50%以下のもの。風俗営業等や暴力団等は対象外で、原則、認定から1年以内に着工し、3年以内の完成などを要件としている。

 市は要件を満たすオフィスビルを建設する土地所有者・ビルオーナーに対し、住宅等に供する部分以外の土地・家屋の固定資産税と都市計画税を2分の1に軽減する。軽減期間は3年間で、三宮駅周辺エリア約315haの都心機能誘導地区については5年間軽減する。

(月刊「ガバナンス」2020年7月号・DATA BANK2020より抜粋)

●「飲食等店子・大家さん助けあい支援減税」を実施

 福岡県久留米市(30万6100人)は、新型コロナウイルス感染拡大による飲食店等への支援施策となる「飲食等店子・大家さん助けあい支援減税」を開始した。店舗の家賃を減額した貸主(大家)の固定資産税・都市計画税の減免を行うことで、飲食店等(店子)への家賃の軽減を促し、経営が厳しくなっている飲食店等への支援に繋げる施策となっている。

 減免対象となるのは、緊急事態宣言の対象期間中に市内店舗(業種は限定しない)の家賃を減額した不動産所有者。減免対象となる物件は、家賃減額の対象となった店舗(対象が一部の場合は該当部分のみ)で住宅部分などは除く。ただし、賃借人(店子)が市内居住者、市内に本店を置く法人に限る。

 減免される額は、対象物件にかかる20年度固定資産税・都市計画税年税額100%(家屋のみ)または家賃減額の110%のいずれか低い額となっている。申請期限は20年10月30日まで。

 なお市は、今回の減税は第2納期限(20年7月31日)以降に適用するため、第1納期限(20年6月1日)分については納付をお願いするとしている。また感染拡大防止のため、郵送による申請を原則とした。

(月刊「ガバナンス」2020年7月号・DATA BANK2020より抜粋)

●「伊勢えがおプロジェクト」で笑顔の写真を募集

 三重県伊勢市(12万6600人)は、市内在住者の笑顔の写真を募集している。

 新型コロナウイルスの影響で、マスクの着用が当然のようになっているが、その状態では相手の表情が分かりにくく笑顔をはっきりと見ることができないことから、皇學館大学と連携して、「伊勢えがおプロジェクト」を立ち上げた。「笑顔を見ると自然と自分も笑顔になれる」という考えから市民の笑顔の写真を募集し、「広報いせ」で笑顔を咲かせ、その輪を広げようというもの。家の中でマスクを外した笑顔を撮影した写真を募集し、「広報いせ」8月1日号より順次掲載する。この取組みは、市と同大学による、地域課題解決に取り組む課外活動であるCLL(コミュニティ・ラーニング・ラボ)活動の一環。CLLでは、「広報いせ」で、学生の目線でまちの魅力を伝える特集記事の制作を一緒に取り組んでおり、8月1日号でも応募写真を使用した特集記事を学生とともに制作する。

 市は、募集チラシ・ポスターを作成して、公共施設・スポーツ施設等に設置。市HPや「広報いせ」でも募集している。チラシは、同大学生による笑顔のお手本写真が掲載されており、応募者全員に市オリジナルグッズをプレゼントしている。

(月刊「ガバナンス」2020年7月号・DATA BANK2020より抜粋)

●「POファイナンス®」を試行導入

 岡山市(70万9200人)は、中小企業の設備投資の一部に支給する中小企業支援事業補助金や市発注の委託業務の支払いの一部に「POファイナンス®」を試行導入した。

 同ファイナンスは、Tranzax社が開発した電子記録債権を利用したシステム。市からの補助金や発注する委託業務の支払いを、当該事業等が履行されなければ支払わない等とする抗弁付きの電子記録債権化し、これを当該補助事業者等が金融機関に担保として譲渡することで、金融機関からつなぎ融資を受けやすくする仕組み。補助金交付や事業契約が決まった段階から前倒しで資金調達が可能になるのが利点で、補助事業者等の円滑な資金繰りを支援して中小企業やスタートアップ企業などの経済活動を活性化するのがねらい。地方自治体では初めての導入となる。

 導入する取扱範囲は、中小企業支援事業補助金と、コンサルタント業務(測量業務、建設関係・土木関係建設コンサルタント業務、地質調査業務、補償関係コンサルタント業務の許容価格が100万円を超えるもの)。20年度の結果を踏まえて課題や事務手続を整理し、対象拡大などを検討して本格運用を図っていく。

(月刊「ガバナンス」2020年7月号・DATA BANK2020より抜粋)

●スマホに信号を送る歩行者支援システムの運用を開始

 静岡県(372万6500人)は、新たなバリアフリー対応型信号機を導入し、歩行者支援システムの運用を開始した。

 この支援システムは「Pedestrian Information and Communication Systems」とも言い、略して「PICS」(ピックス)と呼ばれている。今までの専用端末等を使用した歩行者支援システムをさらに高度化した、スマートフォンを利用するシステムで、信号交差点における目の不自由な人や高齢者の横断支援を行うために、Bluetoothにより信号機からスマートフォンに歩行者用信号の表示色情報等を送信する仕組みとなっている。交差点名や歩行者用信号の表示色を画面表示するほか、音声や振動等で確認することができる。

 PICSを利用するには、「App Store」(iOS)もしくは「Google Play」(Android)から、スマートフォンに対応アプリ「信GO!」(シンゴー)をダウンロードする。アプリは無料。目の不自由な人や高齢者に使いやすい仕様となっているが、アプリをダウンロードすれば誰でも利用することができる。現在、JR静岡駅・三島駅周辺で24時間365日利用可能。

 県は、「歩行者空間のバリアフリー化」の具体的取組みとして、音響式信号機や高齢者等感応信号等のバリアフリー対応信号機の設置などの事業を実施しているが、「ピヨピヨ・カッコー」と鳴動する音響式信号機については、静穏な夜間には運用を停止せざるを得ず、その間の目の不自由な人や高齢者の安全確保が課題となっていた。そこでスマートフォンを利用し、いつでも信号情報を提供可能なPICSを開発した。今後は、ナビアプリなどとの連携により、経路や周辺情報の案内などにも、機能が拡張されることを期待している。

(月刊「ガバナンス」2020年7月号・DATA BANK2020より抜粋)

●日本初のZEB認証を取得した省エネ新庁舎が業務を開始

 神奈川県開成町(1万7700人)は、5月7日から新庁舎での業務を開始した。新庁舎は設計段階において、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の「Nearly ZEB」及び「最高ランク☆☆☆☆☆」の認証を庁舎として全国で初めて取得。BELSは、国土交通省が主導する建築物の省エネルギー性能に特化した認証制度。国が定める計算方法に則りBEI(省エネルギー性能指標)値を算出し、その値によって☆の数を決定する。最高ランクの☆☆☆☆☆の中でもさらに省エネルギー性能に優れた建物がZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)として認証される。

 町は建替えに際し、新庁舎建設の基本方針に「地球環境への負荷、ライフサイクルコストを縮減するZEB庁舎」を掲げた。町の資源である水を空調熱源として利用するなど、高効率な省エネルギー設備を備えることで、標準的なビルに対して一次エネルギー消費量の55.1%削減を実現するとともに、再生可能エネルギーである太陽光発電によって同79.0%削減を設計段階で実現。これにより「Nearly ZEB」を認証取得し、BELSの一次エネルギー消費性能においても、☆5(0.5≧BEI)を取得した。

(月刊「ガバナンス」2020年7月号・DATA BANK2020より抜粋)

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