行政大事典

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【最新行政大事典】用語集―住居表示とは

NEW地方自治

2020.10.03

【最新行政大事典】用語集―住居表示

はじめに

 『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第1章 行政一般・地方自治」から、「住居表示」を抜粋して、ご紹介したいと思います。

 市街地にある住所、居所又は事務所その他の施設の所在する場所を一定の方法に従い表示する制度である。

1 経緯

 従来、わが国の住居の表示方法は、慣習的に、住んでいる町名と土地の番号である地番とによって、例えば、東京都中央区銀座4丁目38番地という表示方法が用いられていた。これは現在も、戸籍における本籍地の表示、不動産登記における土地建物の所在地の表示等に用いられている。

 市街地においては急速な都市化現象に伴って土地の需要が高まり、土地の分筆、合筆が増加した結果、連坦する施設の地番が大きく飛ぶなどの現象が起こり、表示された所・番地によって住居等を訪ねあてることが困難になってきた。そこで昭和36年に町名地番制度審議会が設置された。審議会は、同年11月に「町名地番制度の改善に関する答申」を内閣総理大臣に答申した。答申の趣旨は、「町名地番の混乱は、財産番号である地番を、住居表示に用いるところに原因があるので、これを改め、諸外国で市街地の住居表示に用いられているハウス・ナンバー方式(住居番号方式)を採用すべきである。」というものである。これを受けて、翌年、住居表示に関する法律(昭和37年法律第119号)が制定公布された。

2 住居表示の方法

 住居表示法では、街区方式と道路方式の2つの方式を採用している(住居表示2)。

 〔1〕街区方式とは、市区町村内の町又は字の名称並びに道路、鉄道、河川、水路等を配慮し一定の規模で区画された街区ごとの符号及び街区内の建物その他の工作物につけられる住居番号を用いて表示する方法である(住居表示2I)。この方式での住居表示は、○○市○○町○番○号、あるいは○○市○○町○丁目○番○号となる(○○町○丁目が町名)。

 〔2〕道路方式とは、市区町村内の道路に名称を付け、その道路に接し、又はその道路に通ずる通路を有する建物その他の工作物につけられる住居番号を用いて表示する方法である(住居表示2II)。この方式の住居表示は、○○市○○通り○号となる。

 諸外国では道路方式による住居表示が主であるが、日本では街区方式が多く用いられ、道路方式による住居表示の実施例は、山形県東根市の一部など限られている。

 街区方式では、原則的に、道路等で囲まれた区画(ブロック)を街区とする。

 同一町名の複数の街区での符号は、市区町村で決めた基準となるもの(皇居、市役所等)に近い街区から順に番号を振っていく。

 住居番号は、街区符号での基準に一番近い角を起点に、街区の外周に沿って時計回りに10〜15メートルごとに区切り、順に基礎番号(フロンテージ)をつけ、建物の玄関又は主たる出入口がある位置の基礎番号を住居番号とする。

 共同住宅の場合は、基礎番号(棟番号)と部屋番号をハイフンでつないで戸別の住居番号とすることがある。

3 住居表示の実施手続き

 市区町村は、住居表示の実施区域及び住居表示の方法(街区方式、道路方式)を、議会の議決を経て定め、当該区域について、街区符号及び住居番号を付け、それらを告示するとともに、これらの事項を関係人関係行政機関に通知し、かつ、都道府県知事に報告しなければならない(住居表示3)。

 住居表示の実施のため、町若しくは字の区域の新設、廃止又は町若しくは字の区域、名称の変更について議会の議決を得ようとするときは、あらかじめその案を公示し、30日以上経過しなければ、議案を提出できない。公示された案に係る区域の有権者は、その案に異議があるときは、公示の日から30日以内に50名以上の連署をもって、理由を付してその案に対する変更の請求をすることができる。市区長村長は、変更の請求に係る議案を議会に提出するときは、当該変更の請求書を添えてしなければならず、議会は、あらかじめ公聴会を開き、当該町又は字の区域の住民から意見をきいた後でなければ、議案を議決することができないこととなっている(住居表示5の2)。

 これは、住居表示が建物の表示という点では分かりやすく、利便性に富んでいるものの、町名変更により伝統的な地名、歴史的意義のある地名が消滅したり、地域の地縁組織や祭りなどの慣習に影響を与える例も少なくなかったため、法改正をして、関係住民が意見表明できる手続きを加えたものである。

*『最新行政大事典』2019年12月より。(NPO法人 フォーラム自治研究)
(有償版は本文に加え、法令へのリンク機能があります)

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