行政大事典
【最新行政大事典】用語集―法人税の税率とは
地方自治
2020.10.10
【最新行政大事典】用語集―法人税の税率
はじめに
『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第6章 国税・地方税」から、「法人税の税率」を抜粋して、ご紹介したいと思います。
法人税の税率は、次表の法人の区分に応じ、それぞれ次表のとおり。
1 各事業年度の所得に対する法人税の税率
【 】は、協同組合等又は特定の医療法人が連結親法人である場合の税率。
(注1) 対象となる法人は以下のとおり。
(1) 各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの((注5)に掲げる特定の医療法人を除く。)。ただし、各事業年度終了の時において次の法人に該当するものについては、除かれる。
イ 相互会社及び外国相互会社
ロ 大法人(次に掲げる法人をいう。以下同じ。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
(イ) 資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人
(ロ) 相互会社及び外国相互会社
(ハ) 受託法人
ハ 100%グループ内の複数の大法人に発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有されている法人(ロに掲げる法人を除く。)
ニ 投資法人
ホ 特定目的会社
ヘ 受託法人
(2) 非営利型法人以外の、一般社団法人及び一般財団法人
(注2) 平成31年4月1日以後に開始する事業年度において適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいう。以下同じ。)に該当する法人の年800万円以下の部分については、19%の税率が適用される。
(注3) 協同組合等で、その事業年度における物品供給事業のうち店舗において行われるものに係る収入金額の年平均額が1,000億円以上であるなどの一定の要件を満たすものの年10億円超の部分については、22%の税率が適用される。
(注4) 公益法人等とみなされているものとは、認可地縁団体、管理組合法人及び団地管理組合法人、法人である政党等、防災街区整備事業組合、特定非営利活動法人並びにマンション建替組合及びマンション敷地売却組合をいう。
(注5) 特定の医療法人とは、措法第67条の2第1項に規定する国税庁長官の認定を受けたものをいう。
(注6) 平成31年4月1日以後に開始する事業年度において適用除外事業者に該当する法人の年800万円以下の部分については、19%(その特定の医療法人が連結親法人である場合には、20%)の税率が適用される。
(法法66、81の12、143、措法42の3の2、67の2、68、68の8、68の100、68の108、平28改正法附則21、26、27、29)
(平成31年4月1日現在の法令等による。)
(出典 国税庁資料より作成)
2 法人税の税率に加算される特別税率等
特定同族会社の留保金に対する特別税率(法税67)、使途秘匿金の支出をした法人に対する課税の特例(措置62)並びに長期所有土地等又は短期所有土地等の譲渡がある場合の特別税率(措置62の3・63)については、通常の法人税率を適用した法人税額に、これらの特別税率又は課税の特例の適用によって計算された税額を加算することとされている。
これらに係る特別税率等(重課)については、次の第2表のとおりである。なお、土地の譲渡益課税については、バブル崩壊後、投機的取引による土地価格の上昇を抑える必要性がない経済環境下にあるため、平成10年1月1日以降、長期にわたって課税停止となっている(措置62の3〔4〕・63〔7〕)。
<第2表 特別税率等>
3 その他の税率
退職年金等積立金に対する法人税率は、1%である(法税87)。
[関連項目]法人の実効税率、法人税実質減税、法人税の課税ベース拡大、退職年金等積立金に対する法人税(特別法人税)