【最新行政大事典】用語集―外国人材拡大法と自治体

NEW地方自治

2020.06.07

【最新行政大事典】用語集―外国人材拡大法と自治体

はじめに

 『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第1章 行政一般・地方自治」から、「外国人材拡大法と自治体」を抜粋して、ご紹介したいと思います。

外国人材拡大法と自治体

 

 出入国管理・難民認定法(入管難民法)は、外国人労働者の受け入れを拡大する方向で2018年12月に国会で改正された。外国人材拡大法と称される。深刻な人手不足に対応するため新たな在留資格を設け、単純労働で初めて外国人の就労を認めるもの。外国人労働者への法的保護を強め、これまでより働きやすい環境を整えるとする。新制度は2019年4月にスタート。ただ政府は、新制度は「移民政策ではない」と位置づけており、受け入れ人数には「上限」を設ける。政府は5年間で最大34万5150人の受け入れを想定している。

 改正で付与された新たな在留資格である「特定技能」は2種類である。

 「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に与える「特定技能1号」は、単純作業など比較的簡単な仕事に就く。最長5年の技能実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格すれば取得できる。在留期間は通算5年で、家族の帯同は認めない。この1号は▽農業▽漁業▽飲食料品製造▽外食▽介護▽ビルクリーニング▽素材加工▽産業機械製造▽電気・電子情報関連産業▽建設▽造船・舶用工業▽自動車整備▽航空▽宿泊の14業種を想定している。

 高度な試験に合格した人に与える「特定技能2号」は、現場監督など熟練した技能を要求される仕事に就く外国人に与えられる。在留資格は1~3年ごとに更新ができる。長期の就労や将来の永住に道を開くことになる。配偶者や子どもなどの家族の帯同も可能だ。2号は建設や造船などの業種で導入が検討されている。

 他方で外国人材枠の拡大には課題がある。「包括的な移民政策に必要な具体策」として都道府県や政令指定都市から以下のいくつかの課題が指摘される(日本国際交流センター2018年調査)。

・外国にルーツを持つ子供に対する就学・教育支援制度の構築
・日本語など社会統合講習のための体制作り
・外国人住民のための行政サービスの拡充化
・外国人を労働者として受け入れる仕組みの構築
・職業訓練など労働市場統合の体制作り
・外国人関連政策を統括する政府機関の創設

 いずれの対策も自治体に負担がかかるところから、国からの財政支援を期待する意見は少なくない。

 なお法施行から2年後に、自治体などの意見を踏まえ、制度は見直されることとされる。

*『最新行政大事典』2019年7月より。(NPO法人 フォーラム自治研究 嶋津隆文)
(有償版は本文に加え、法令へのリンク機能があります)

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