【例規整備】成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(法制執務Q&A)
地方自治
2019.09.20
はじめに
当サイト上8月14日付公開の「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律〔例規整備〕」(以下「前記事」といいます。)に関し市町村から弊社に寄せられた相談事例の一部を以下に紹介いたします。
※本記事は前記事の補足的な内容です。
https://shop.gyosei.jp/online/archives/cat01/0000004922
法律に直接基づかない規定の改正の施行期日について
【Q1】
「整備法の改正対象法律の改正により直接影響を受ける例規以外の例規」について、改正の要否を検討するに当たり、これらの例規の改正規定の施行期日は、いつと考えればよいか。
【A】
地方公共団体の条例等又はその他関係機関の規則等の整備が必要な法律については、「公布の日から起算して6月を経過した日」から施行することとされているため、御質問の例規の改正規定の施行期日についても、令和元年12月14日を一つの目安とすることも考えられますが、当該例規の規定は、法律に直接基づいたものではないため、基本的には、これを改正する場合の施行期日は任意です。各市町村の実情に照らして御判断いただくことが考えられます(例:周知期間を設けるか否か、設けるとすればどのくらいの期間が必要か等)。ただし、次に掲げる例のように施行期日の設定に関し判断材料となるものがあるケースも想定されますので、御参考としてください。
<参考>○○市消防団条例(○○市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例)
○○市(町村)消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例(例)の一部改正について(通知)(令和元年6月26日消防地第62号)に示されているとおり、消防庁の参考例「○○市(町村)消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例(例)」は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)の改正を踏まえたものです。したがって、市町村条例において当該参考例のとおり整備する場合は、その施行期日は令和元年12月14日とすることが自然であると思われます。一方で、当該通知は、飽くまで消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条の規定に基づいた「助言」として発出されていることから、当該参考例に倣った改正を行うかどうか、行う場合はその施行期日をいつに設定するかについては、最終的には各団体の判断に委ねられているものと解されます。
施行済みの改正法に係る条例改正の施行期日について
【Q2】
児童福祉法第34条の20や土地区画整理法第63条第4項の改正については、施行期日が公布の日(令和元年6月14日)であるが、該当条を引用する条例の規定について整備条例で改正する場合は、ここだけ「公布の日」施行とするのか。
【A】
お考えのとおりです。整備条例においては、以下のように施行期日を分けて規定することが考えられます。
なお、内閣府HP(https://www.cao.go.jp/houan/doc/196_7gaiyou.pdf)によれば、公布の日から施行される法律の改正は、「欠格条項を削除するのみのもの」とされています。
改正法の施行期日を過ぎる場合の遡及適用の要否について
【Q3】
9月議会への上程が難しいため、12月議会にて改正を行おうと検討しているが、改正法の施行期日が令和元年12月14日である改正について、一部改正条例の公布が同日を過ぎてしまうことが想定される。この場合、遡及適用を行い同日から適用させる必要があるか。
【A】
成年被後見人等の利益となる改正であっても、遡及適用の要否については、各市町村の実情に応じて御判断いただくことが望ましいと思われます。例えば、遡及適用の措置を採ることにより、実際に遡って権利が保障される住民がいる場合は遡及適用の意義がありますが、そうでない場合は遡及適用の意義はあまりないといえます。例規ごとに個別に御判断いただくことを御検討ください。
なお、この記事情報は(株)ぎょうせいが「法令改廃情報提供サービス」で配信している内容の一部です。サービスについて詳しい情報は下記リンク先をご覧ください。
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