連載 vol.110「つながる」力 官民を超えた一緒に悩み、議論できる仲間の大切さ【鈴木健治(鳥取県・琴浦町職員)】

地方自治

2024.09.18

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2023年5月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

     私は外部と関わりが少ない財政部門に在籍している。外部とのつながりがあまりないため、情報は庁内と新聞等の活字から得ていた。

     〝つながり〟が広がったのは、行財政改革として他県の自治体職員や民間の方を招く業務を担当したことがきっかけだった。その業務では新しい情報や県外、民間の考え方などを知ることができた。

     しかし、それ以上に私にとって財産となっているのは業務時間外の〝反省会〟だ。そこには、業務時間内では聞けない業務外の新たな知識や視点などがあり、私の視野を広げてくれた。他県の自治体職員には、良くも悪くも県内で当たり前だと思っていた業務手法などが、当たり前ではない事に気付かされた。民間の方の話はさらに刺激的なもので、まちづくりの話題では私自身に「〝行政が〟まちづくりをする」という思い込みがあったことに気付かされた。民間も「社会を良くしたい」という熱い思いで行動している。まさに「CSV(公共の利益の創造)」を実践する企業人がいることを知った。

     民間企業にも想いを同じくする仲間がいるということに勇気づけられる。自治体職員も当然、熱意がある。その熱意から自治体職員を辞め、民間へ移り、その信念・夢に基づいた仕事に就いて行動されている方も少なくない。

     「ワークライフバランス」という言葉があるが、仕事とプライベートをはっきり線引きする傾向にあるように感じる。仕事とプライベートはグラデーションのような関係で良いのだ。少しプライベートに仕事のつながりを持ち込んでみると仕事も楽しくなるのではないだろうか。つながりは、そんな働き方を成立させてくれる。

     人とのつながりがつながりを呼び、色々な考えの人と出会える。「あの人ならどう考えるだろう」などと想像する力は、必ず仕事だけでなく人生を豊かにしてくれるだろう。

     まちの人口は減り、自治体職員も減っていく中、より民間との協働は重要となる。そんな時代だからこそ、自治体職員、民間人材を問わず、一緒に悩み、議論できる仲間をつくっていきたい。

    (鳥取県・琴浦町職員/鈴木健治)

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