財政課の1年
財政課の1年 10月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!10月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2023.10.02
本記事は、月刊『地方財務』2022年10月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
10月。芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋。なにをするにもいい季節です。1年で最も好きな月としてあげる人も多いそうです。
この気持ちのいい時期が、財政課にとってはいよいよ次年度予算編成を本格的に始めるタイミングとなります。ここまでコツコツ準備してきたことをフルに活かしていきましょう。
予算編成というと、財政課と所管課が対立関係に近い立場になってしまうことが少なくないようです。財政課は所管課に対し「この厳しい財政状況のなかでこんな要求を出してきてどういうつもりなんだ」と思い、所管課は財政課に対し「現場のことも知らないくせに机のうえで金のことばかりをいって」と不満を持つ、といった図式です。
予算が限られているということは所管課もわかっているでしょうし、少しでもいい予算編成をしたいという思いも共通のはずです。ですから、対立するのではなく、協力関係のなかで進めていきたいところです。そのためには、立場立場でいい合うより、本音で話し合う場を作る工夫が求められているのかもしれません。
予算編成方針の策定
予算編成作業を始めるに当たってまず取り組むのが、予算編成方針の策定だと思います。
予算編成方針は、次年度予算編成業務がよって立つところとして重要な役割を持ちます。最終的には首長名で発出されることになると思いますが、素案作りは財政課職員が行うことになるでしょう。異動1年目の人も遠慮せず、どんどん意見を出していくべきだと思います。
■予算編成方針策定の目的
予算編成方針は、次年度予算を作るうえでの基本的な考え方を示すものです。積極予算とするのか、できる限り緊縮する必要があるのか、全庁的に共通して持っていたい思想はなにかなど、大切な根っこの部分を明らかにし、共有することを目指します。
財政課の誰かが中心になって書き進めていくことになると思いますが、書き始める前に首長の意向を確認しておく必要があるでしょう。それを踏まえて、部長以下の意思統一を図り、財政課の考え方を書き込んでいきます。自治体としての考え方を示す場であり、書き手の個人的な考え方を表す場ではありません。
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