財政課の1年
財政課の1年 7月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!7月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2023.07.01
本記事は、月刊『地方財務』2022年7月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
私がはじめて財政課に配属されたのは、今から20年以上も昔のこととなります。当時から地方財政の厳しさは指摘されていましたし、その頃はその頃でいろいろ大変ではありましたが、現在の業務を改めて眺めると「財政課のやることが増えたなあ」と感じます。
例えば、「健全化判断比率の算定」は2007年に公布された「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づくものですし、「ふるさと納税」は2008年に公布された「地方税法等の一部を改正する法律」などを根拠とするものです。また、「統一的な基準による地方公会計の整備」は2015年の総務大臣通知により、全国の自治体が取り組むようになりました。つまりこれらの業務は、ここ15年ほどの間に新しく加わったものということができます。さらに2020年以降は、新型コロナウイルス対応が休みなく行われてきたことでしょう。
7月から8月にかけて夏休みの期間という自治体が多いと思いますが、このように新たな業務が付加されているなかでは、以前ほどのんびりできなくなった感があります。ただし、しっかり休み、心身をリフレッシュすることも、ある意味仕事の一環です。働き方改革の大きな流れもあることですし、課全体として計画的に休暇をとるように努めたいところです。
健全化判断比率の算定
■健全化法とは
2007年、北海道夕張市が、「財政再建団体」に指定されました。夕張市は観光事業などに積極的に取り組んでおり、知名度が高い自治体でもあっただけに、その「破綻」は大変な衝撃を全国の自治体に与えました。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」、いわゆる「健全化法」は、地方公共団体の財政状況を統一的な指標で明らかにすることによって、財政の健全化や再生が必要な場合に迅速な対応をとることを目的としています。以前の「地方財政再建促進特別措置法」は、いわば退場勧告、レッドカードだけが用意された仕組みでしたが、健全化法では、その前の段階、警告に当たるイエローカードを出すことによって、破綻を押さえる狙いがあります。夕張市の事例を教訓に、ある日突然大きな負債が表面化する、といったことがないようにする配慮が
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