【リレー連載】「自治体×デジタル」を考える 東西南北デジデジ日記
東西南北デジデジ日記 vol.18 今週の担当:【西】多田功
地方自治
2022.02.10
東西南北のそれぞれで奮闘する現役自治体職員と元自治体職員4名によるリレー日記。タイトルに冠しているとおり、テーマはデジタルなれど、小難しいこと抜きに、多彩な切り口で「自治体×デジタル」を考えてみよう、な日記です。本連載、執筆陣は前回を受けて即興で原稿を書くスタイル。今回は、そんな本連載にも通ずる(?)【西】の多田さんの好きなものの話から。
―――――2022年2月10日 Thu.―――――――
好きな音楽はジャズ
「東西南北デジデジ日記」のvol.0の僕の紹介文の最後に書いた「好きな音楽はジャズ」。
もう覚えてませんかね。なんせ初回公開は2021年10月13日なんですから。
「デジタルの話をしたいのにデジタルは関係ない」といった感じでお構いなしに、今回はそんな話から進めていきたいと思います。
Giant Steps
ジャズサックスプレイヤーのジョン・コルトレーンが1960年に収録したアルバムで「Giant Steps(ジャイアント・ステップス)」というジャズの超名盤があります。」
「Giant Steps」と聞くと、大きなことを一人でやらないといけないイメージ(コルトレーンの偉大さはジャズを聴かれる方ならご存知のはず)を持たれた方が多いのではないでしょうか。
アルバムタイトルでもある「Giant Steps」を聴いていただければわかると思いますが、コルトレーンのとてつもないテクニックの連続に圧倒されます。
これが60年前に収録されたとは考えられないぐらい素晴らしい演奏です。ぜひ一度聴いてみてください。
コルトレーンの軌跡
いきなりジャズ講座みたいになっちゃいましたが、もうしばらくお付き合いください。
1926年に生まれたコルトレーンは、音楽学校卒業後ミュージシャンとして活動を始めましたが全然売れず、ようやくジャズの帝王マイルス・デイヴィスのバンドへ加入の夢を掴みます。当初は順調に見えたものの、薬物やアルコールにずるずると溺れてバンドをクビになるといった状況でした。
そして、30歳を過ぎ、薬物をようやく断つことができたコルトレーンは一気に覚醒し、ジャズ界の伝説となりました。
わずか20年ほどの短いキャリアのうち、日の目を見たのは10年ほどで、人気絶頂期であった40歳の若さでこの世を去りましたが、アルバムに換算して200枚を超える録音を残しています。
日々の努力
高校時代のコルトレーンに関する逸話として、放課後には学校のどこからでもコルトレーンが練習するのが聞こえてきたそうです。昼夜を問わず自分の時間は全て練習に没頭していたそうです。
ミュージシャンとして頭角を現してきた頃でも、ホテルの自室で練習するのを廊下まで何時間も聞こえてきていた、という逸話も残っているほどです。
また、彼の友人のミュージシャンは、「コルトレーンは夏にはショート・パンツを履いていた。クーラーのない安いアパートで暑い夏を過ごすのには、それが一番だったんだ。コルトレーンは汗だくになりながら、毎日練習をしていたよ。私の知る限り、あの頃コルトレーンほど練習しているやつはいなかった」と話しています。
小さな成功が積み重なって大きな一歩を歩む
この逸話をデジデジ日記らしく、デジタルに置き換えて考えるとどうでしょう。
「DXの取り組みを何から始めればいいかがわからない」と尋ねてこられる方がよくいらっしゃいます。
スマホは普通に使いこなしているのに、デジタル化となると途端に壮大なプロジェクトに感じてしまい、ついついやれない理由を探してみたり。
気持ちはわかりますよ。みんな一緒ですから。
でも、冒頭に記したコルトレーンの歩みを振り返ってみてください。
歴史に名を刻む偉大な方ですら、毎日努力をしたことで結果を残すことができています。
我々にできることは、小さな成功体験を積み重ねていくことなんです。
それが大きな一歩(Giant Steps)につながるのだと思います。
デジタルな人材を目指すために
目の前にあるちょっとしたデジタル化に取り組んでみませんか。
それを1週間、勤務日で数えると5日取り組んでみてください。
年間50週ほどありますので、5日×50週=250個の小さな成功。
これを積み上げることは大きな一歩に見えませんか。
今やれることを今やらずして未来は来ないです。
今回のジャズ講座(笑)はこれぐらいで。では、また来週デジデジ!!
バックナンバーのご案内