連載 vol.26「つながる」力 職員の「つながり」によるチーム力の発揮──市の活気づくりにも貢献 【森本邦博(愛知・春日井市職員)】
地方自治
2022.01.17
本記事は、月刊『ガバナンス』2016年5月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
職員の「つながり」によるチーム力の発揮──市の活気づくりにも貢献
「春日井市職員のいきいきとした仕事ぶりが、市の活気につながっている」──そんな言葉をいただいたのは、2016年3月に開催した「第10回全国都市改善改革実践事例発表会(KA(か)えるエキスポin春日井)」の審査委員からだった。
この発表会は、全国の自治体の優秀な改善事例を一堂に集め、互いに共感や気づきを促し、さらなる改善の水平展開を図ることを目的に開催している。北は札幌市から南は宮崎県国富町まで、さらに海外からはバングラデシュからの参加もあり、40事例が発表された。参加者は様々な取組みに触れ、改善への意欲をさらに高めることができた。
もともと春日井市では、業務改善運動のほかに、若手職員で結成する「プロジェクト活動」にも力を入れている。自らの部署で課題を抱える部長がスポンサーとなり、様々な部署の職員が組織の枠を超えて集まり、課題解決のための政策提案を行う。緩やかな「つながり」のもと、自由闊達な雰囲気の中で政策研究を行うため、担当課が思いつかないような斬新なアイデアが提案され、これまでもいくつかの事業が実現されてきた。
そんな組織風土が定着しつつある中、今回の発表会の開催にあたっても、プロジェクト的に若手職員を中心に40人のサポーターが結成され、司会進行や会場、広報、映像、交流会の部会に分かれ、企画や運営を行った。サポーターは当日も実にいきいきと動き回り、多くの参加者から、発表会の内容もさることながら、春日井市職員の「おもてなしの心」に感銘を受けたとの声をいただくことができた。
若手職員が自ら担当する職務以外で、組織の枠を越えてつながり、協力して取り組むことはとても貴重な経験だ。発表会の運営において、それぞれが自らの役割を的確に認識し、自らが持つ強みや能力をチームの力として最大限に発揮できたことは、職員の潜在能力を引き上げるとともに、組織力の向上につながった。「つながり」がチームの力となって職員の能力を高め、そしてそれが市の活気にもつながっていく──そのことを何よりの喜びと感じている。
(愛知・春日井市職員/森本邦博)