連載 vol.17「つながる」力 「つながる」力~つながることで世界が広がる~ 【杉村昌樹(福岡市職員)】
地方自治
2021.10.11
本記事は、月刊『ガバナンス』2015年8月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「つながる」力~つながることで世界が広がる~
私が「つながる」を意識して活動をするようになったのは、入庁1年目の時。先輩から受けた次の一言が始まりだった。
「縦の糸と横の糸が交わる部分、そこがお前だ!」
新規採用職員研修が終わって1か月も経たない時に、職員同士の語らいの場である福岡市のオフサイトミーティング「明日晴れるかな」に参加する機会を得た。先輩職員に温かく迎え入れられたこと以上に、「オフサイト」な場で語る楽しさや語らいを通じて想いがつながる躍動感に魅せられ、興奮しっぱなしの自分に驚いた。以後、つながりを強く意識するようになり、業務内外を問わず、まずは縦の糸を太くしようと考えた。
そんな時、「九州まちづくりオフサイトミーティング(以下、「九州OM」)」を設立するという話を聞き、先輩職員の言葉が頭に浮かんだ。「横の糸はコレだ!」と思った。
第1回目は福岡市で開催。以降は長崎県諫早市、熊本市、大分県中津市と続き、第5回目は今年5月に宮崎県延岡市で開催された。幸運にも5回すべてに参加でき、様々な業種・職種の人々と多くのつながりを得ることができた。
つながることで分かったことは、①オフサイトな場が活発になればなるほど、つながりが強い結び付きになる、②つながりが結び付くと絆になり、様々な好循環が生まれてくる、ということだ。九州OMの参加を契機に、他都市の職員とのつながりから、外とのネットワークが急速に広がっている。
例えば、福岡市が行っている出前講座を諫早市で出張開催したり、熊本県職員の自主活動グループが開発した対話型のゲーム式ワークショップを福岡市でも真似て開発してみたり。内側に視点が行きがちになるところを、他の自治体の良い所や面白い取組みを取り込むことで、職員同士のモチベーションが上がり、想いを同じくする仲間に出会うことでWIN─WINの効果が生まれている。つながりは水面に落ちる一滴のしずくのように小さいものだけれど、波紋は徐々に広がり、そこから次のつながりが生まれる。つながることから始まる世界は悪くない──。
(福岡市職員/杉村昌樹)