公務員が読みたい今週の3冊
公務員が読みたい今週の2冊【〈迂回する経済〉の都市論/非営利組織の伝票決裁のポイント】
NEWぎょうせいの本
2025.02.25
今週、何読む?
読書の習慣をつけたいと思いながら、まだ始められていない…。
日々読書を嗜んでいるが、そろそろネタ切れ…「次は何を読もうか」検討中。
そんな公務員の方はいませんか?
「公務員なら読んでおきたい」業務に役立つ必携図書や、「公務員の皆様が楽しく読める」おすすめ図書をガバナンス編集部がピックアップ。毎週2~3冊をご紹介します。
「今週読みたい図書」の選定にぜひお役立てください。
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まわり道の中で生まれていく都市の物語
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〈迂回する経済〉の都市論
都市の主役の逆転から生まれるパブリックライフ
吉江 俊・著
学芸出版社/2,400円+税
〈迂回する経済〉とは何か?それは、利益追求型の〈直進する経済〉と対をなす、「儲けに価値を置かない空間やサービスが最終的に利益をもたらす」という逆説的な思考である。本書では、著者が関わってきたフィールド・サーベイや、具体的な開発事例を取り上げつつ、〈迂回する経済〉による都市計画を考えていく。断っておきたいのが、本書は「こうすれば成功する」という手順を示すものではなく〈迂回すること〉の価値を見出すものだという点だ。
路地の“深度” を設定し人々の滞留をみる調査や、場所を行為の集積と捉える〈場所する〉の視点など、ユニークな発想が面白い。そこから導き出される、「人」に寄り添ったまちづくりは、心地よいパブリックライフへとつながる、曲がりくねった道だ。
よくある会計処理のトラブルと解決策をやさしく解説!
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空チェックは危険です! トラブルを防ぐ
非営利組織の伝票決裁のポイント
菅貞秀太郎・著
同文舘出版/2,200円+税
二重払いや誤払いなど、些細なチェック漏れで会計処理にミスが起こり、大きなトラブルにつながる事件が度々報じられている。「よくわからない」となんとなく伝票を決裁してしまう「空チェック」は非常に危険である。
本書は非営利組織で伝票決裁者になった管理職や、初めて経理部門に配属された職員、非営利組織の役員らに向けて、知ってさえいれば容易に回避できる会計処理のトラブルの知識を紹介する。処理手順に沿ってではなく、トラブルごとに項目が整理されているので読みやすい。また、章ごとのまとめや補足のコラム、関連する法律条文など、理解を助けてくれる仕掛けも豊富だ。巻末の「伝票の項目別ポイント」「トラブルにつながる仕事チェックリスト」は既存業務の改善にも役立つだろう。