公務員が読みたい今週の3冊
公務員が読みたい今週の3冊【ワークショップ/箇条書きの習慣/生きものを甘く見るな】
NEWキャリア
2025.01.23
今週、何読む?
読書の習慣をつけたいと思いながら、まだ始められていない…。
日々読書を嗜んでいるが、そろそろネタ切れ…「次は何を読もうか」検討中。
そんな公務員の方はいませんか?
「公務員なら読んでおきたい」業務に役立つ必携図書や、「公務員の皆様が楽しく読める」おすすめ図書をガバナンス編集部がピックアップ。毎週2~3冊をご紹介します。
「今週読みたい図書」の選定にぜひお役立てください。
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誰でも、どこでも、すぐ取り組める
を実現する、必携マニュアル
はじめてみよう!
若者と議会の明るいワークショップ
松下啓一・著
千葉県御宿町議会・協力
日本橋出版/1,600円+税
若者たちの「社会の役に立ちたい」という意欲や、まちに対する愛着は、思うよりも大きい。彼らの発想力や活動力を生かすことができれば、地域の未来も拓けていくはずだ。そこで注目したいのが“ワークショップ”である。
本書は、千葉県御宿町が実施している「若者と議会の明るいワークショップ」を例に、そのノウハウを詰め込んだ実践マニュアル。準備から振り返りまで、試行錯誤のすえ編み出された効果的な方法が紹介される。また、参加者募集の広報文や会場図、進行シナリオなど、実際の資料も多く掲載されており非常に参考にしやすい。陳情や要求ではなく、「聴き合う・話し合う」場。しかも、「明るく」。本当に実現できるの…?と自信を持てないでいるあなたにこそ、まず読んでみてほしい。
「箇条書き力」と「要約力」が身につく!
頭がよくなる箇条書きの習慣
マスカワシゲル・著
WAVE 出版/1,800円+税
企業はもちろん、地方自治体や教育機関でも、会議などでプレゼンや報告を行う機会は多い。伴って、企画書やレポート、議事録など、文書化が必要な場面も増えていく。しかし、こうした作業を苦手としている人や面倒に感じている人は少なくない。
その理由は、情報を整理し、要点を明確に伝える「要約力」が足りないからだろう。情報を簡潔にまとめるための強力な武器が「箇条書き」だ。著者は「箇条書きを制する者はビジネスを制す」と断言する。本書は外資系企業のマネージャーとして活躍する著者が、あらゆる場面で活用でき、仕事の効率を劇的に向上させる「箇条書き」の技術を誰でも習得できるよう、わかりやすく解説する書である。若手から中堅まで、幅広い層におすすめしたい。
自然をまなざし、地域を考える
生きものを甘く見るな
養老孟司・著
大正大学出版会/1,800円+税
「地に生きる、地を生かす」をコンセプトに、2015年から2023年のあいだ大正大学出版会より刊行された情報誌『地域人』。本書は、同大学創立100周年を記念し、『地域人』の連載等を書籍化した新シリーズ「地域人ライブラリー」の第一弾として上梓されたものだ。
養老氏が寄稿の「巻頭言」を再構成した内容で、氏のライフワークである昆虫採集や、愛猫まるの死、コロナ禍、自身の入院・手術などをとおし、人口減少、過疎、天災、観光、教育、AIなど、さまざまな事象について綴られる。
書評子の印象に残ったのは、地域ごとの特性を生物多様性にたとえた回(本書p138~)。自然に対して深い造詣と関心を持つ、著者ならではの筆致で描かれた「地域」は、私たちに新しい視点を与えてくれるだろう。