財政課の1年
財政課の1年 3月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!3月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2024.03.01
本記事は、月刊『地方財務』2023年3月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
3月。年度が終わりを迎えます。
役所にとって、年度の切り替わりは非常に大きな意味を持ちますので、3月は現年度を締めくくり、新年度につなぐための大切な月となります。年度内にすべきことを確実に終わらせ、整えるべき準備をぬかりなく済ませて、綺麗な形で新しい年度を迎えなければなりません。
業務は一段落している時期だと思いますので、この機会に1年間の振り返りをしておきましょう。うまくいったこと、いかなかったこと、おかしいなと思ったことなど、記憶が鮮明なこの時期にまとめておいて、次の年度に活かしたいところです。「ずっとこうやってきたみたいだから、まあいいか」ではもったいないですから、違和感を覚えたことは周りと共有して、少しでもいい方向に変えていきましょう。長く財政課にいる人より、異動してきたばかりの人の方がいろいろなことに気づくはずです。
3月は別れの季節でもあります。
異動が発表されたり、退職される方がおられたりで、心が乱れることもあると思います。頼りにしている人がいなくなってしまう前に、吸収できるところは可能な限り吸収しましょう。そして、感謝の気持ちをお伝えし、笑顔で送り出しましょう。
議会対応
3月議会で中心的に議論されるテーマは、何といっても新年度予算案です。その自治体の1年間の方向性を議論する場ともなりますし、財政課としては懸命に作り上げた予算内容を評価していただく場ともなりますので、万全の準備で臨む必要があります。
個々の事業については所管課が説明することになるでしょうから、財政課が準備しておくべきは新年度予算の全体像や予算編成の考え方などになると思います。具体的には、以下のような内容が考えられます。
■新年度予算編成について
・新年度予算の特徴は何か ・新年度予算で力を入れた点はどのようなことか ・昨年度と大きく変わった点はあるか ・新年度予算を編成するに当たって注意した点はどのようなことか
■財政状況について
・当自治体の財政状況はどのように推移しているか ・近隣市や同規模団体と比較して財政指標はどのような状況か ・地方交付税の見通しはどうか ・貯金(基金)の状況はどうか ・借金(地方債)の状況はどうか
■今後の見通しについて
・将来の財政見通しはどうか ・今後の税収をどのように見込んでいるか ・今後予定されている大規模事業にはどのようなものがあるか
本会議では考え方や方向性といった大きな質問がなされるでしょうし、比較的自由な質問が出やすい委員会では、「新年度予算について、財政課として点数を付けるとしたら何点か」といった質問が出るかもしれません。
バックナンバーのご案内