財政課の1年
財政課の1年 2月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!2月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2024.02.01
本記事は、月刊『地方財務』2023年2月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
2月になりました。気候的にはまだ真冬のような感覚だと思いますが、暦の上ではもう春です。いい新年度予算を組み上げることができ、明るい春を迎えられていますか。
予算編成の仕上げは、予算書や予算資料の作成です。ここでミスがあると、修正に一苦労することになりますし、場合によっては議会で陳謝しなければならないケースもあり得ます。そうなってしまうと、これまでの苦労が台無しになってしまう感じにさえなりかねません。画竜点睛を欠くことのないよう、慎重に作業を進めていきましょう。
新年度予算を外部に発信する際には、見せ方、伝え方にも気を配りたいところです。せっかく苦労して作った予算なのですから、「こんな特徴がある」「こんなところに力を入れた」といったことをわかりやすく、そして遠慮なくPRすべきだと思います。外向けの広報活動については、上手にできている自治体と残念ながらそうではない自治体に分かれている感があります。得意にしている自治体のやり方を参考にして、伝わる内容にしていきましょう。
施政方針演説
予算議会とも呼ばれる第1回定例会において、首長が冒頭に「施政方針演説」を行うところが多いと思います。施政方針演説とは、新年度に向けて、首長がどのような考えや方針で予算を作り、これからどのように施政を進めていくかを明らかにするものです。首長が方針を示すものなので、当然首長が作成しますが、秘書部門や企画部門と連携して、財政課もその作業に協力することになると思います。
施政方針の内容は、当然のことながら首長の個性が表れるものですが、おおまかな構成は以下のようになるケースが多いようです。
・はじめに
・昨年の振り返り
・施政運営の基本的な考え方
・分野ごとの予算の概要
・むすび
「はじめに」では、第1回定例会開催のあいさつを市民及び議員に向けてするとともに、新年度を迎えるにあたっての決意を述べることが多いと思います。
続く「昨年の振り返り」では、まず内外の大きなニュースについて触れることになるでしょうか。全国的にはそれほど知られていない話題でも、その地域にとって大きなトピックスであれば取り上げることになるでしょう。併せて、当該自治体施策の進展についても、この項目で述べると思います。数ある事業のなかから、特に訴えたい成果を盛り込んでいきます。さらに、首長自らの政治活動の振り返りも含まれるかもしれません。
「施政運営の基本的な考え方」では、首長が大切にしている理念や自治体の目指す方向性について語ります。税収が減少している、地方債が増え過ぎているなど、財政制約が強く働いている局面であれば、それも加えるべきでしょう。
次の「分野ごとの予算の概要」が、施政方針の中心的な部分になります。新年度予算において力を入れていく事業について、PRも込めて語っていきます。分野の分け方としては、予算の款別にする方法、総合計画のジャンル別にする方法、首長の公約に掲げている内容別にする方法などがあるでしょう。
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