公務員のためのハラスメント“ゼロ”の教科書

高嶋直人

【新刊】公務員に特化した『公務員のためのハラスメント“ ゼロ” の教科書』(高嶋直人/著)―パワハラ都市伝説②「誰にも同じ基準が適用される」は嘘

地方自治

2020.07.27

パワハラ都市伝説②「誰にも同じ基準が適用される」は嘘
公務員のためのハラスメント“ゼロ”の教科書

(株)ぎょうせいは令和2年7月、公務員に特化したパワーハラスメントの専門実務書『公務員のためのハラスメント“ ゼロ” の教科書』(高嶋直人/著)を刊行しました。パワーハラスメントの防止を企業に義務付けるパワハラ防止法(労働施策総合推進法)が令和2年6月、施行されたことを受けたものです。ここでは、『公務員のためのハラスメント“ ゼロ” の教科書』から内容の一部を抜粋してご紹介します。(編集部)

●相手との関係性で基準は様々

 パワハラに関する誤解として多いのは、「誰にでも同じ基準が適用される」というものです。法令でパワハラという言動が規制されるのだから、平等に同じ基準が設定されているはずだと多くの人が考えます。しかし、社会のルールの中には、行為者がどういう立場で、相手とどのような関係にあるかで異なる基準が適用されるものがあります。パワハラのルールは正にその典型であり、実際、パワハラに当たるか否かの認定は、個別のケースごとに様々な状況を加味して総合的に判断されます。パワハラの定義の中の要件の一つ「優越的な関係」にも、人事権がある場合から単に仕事の指示命令権があるに過ぎない場合まで濃淡があります。大きな権限を持つ人は多くの人に対して優越的であることを自覚し、責任のある言動が求められます。

●パワハラの基準には幅がある

 また、パワハラは相手の受け止め方も要素の一つであることに間違いはありません。これは、相手が納得してさえいれば、一般的基準に当てはめればパワハラに当たる言動も許されるという意味ではありません。このことは絶対誤解してはならないことです。しかし、逆にこのことをもって相手の受け止め方は一切関係がないと考えるのも間違いです。

 正しいマネジメントとは、自分と相手の双方向のコミュニケーションによって作られる関係性に大きくかかわります。信頼関係が構築されている場合の言動とそうでない場合の言動では、同じ言動でも受け止め方が違うのは当然のことです。

 パワハラに当たる典型的な言動を理解することは、パワハラに関する正しい理解を深めるために有益です。しかし、それはあくまで「目安」として理解しましょう。また、それ以外の言動は許されると「反対解釈」してもいけません。行為者と被行為者という二人の組み合わせ次第で、行為者の同じ言動でも被行為者の受け止め方は異なります。

 パワハラの基準には幅があると理解しておくことが必要です。

Point
・パワハラに当たるか否かは、二人の関係性も含めて総合的に判断される。
・しかし、相手が納得してさえいれば何をしてもよいという意味ではない。
・パワハラに当たる典型例はあくまで「目安」として理解する。
・「典型例に該当しない言動はパワハラではない」という反対解釈をしてはならない。

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令和2年6月施行「パワハラ防止法」にいち早く対応!公務員向けハラスメント防止マニュアルの決定版

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2020/06 発売

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高嶋直人

高嶋直人

人事院 公務員研修所客員教授

早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。人事院公務員研修所主任教授、財務省財務総合政策研究所研修部長などを経て現職。人事院、財務省、国土交通省、自治大学校、市町村アカデミー、マッセOSAKA、東北自治研修所、全国の自治体などにおいて「マネジメント」「リーダーシップ」「働き方改革」「ハラスメント防止」等の研修講師を務める。月刊『ガバナンス』に「人財を育てる“働きがい”改革」連載中。

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