行政大事典
【最新行政大事典】用語集―表面税率と実効税率とは
地方自治
2020.07.26
【最新行政大事典】用語集―表面税率と実効税率
はじめに
『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第6章 国税・地方税」から、「表面税率と実効税率」を抜粋して、ご紹介したいと思います。
表面税率と実効税率
表面税率とは、租税法に定めのある税率をいう。例えば、地方消費税の税率は25%とされており、これは表面税率である。
一方、地方消費税の課税標準は消費税額であるから、消費税の税率6.3%と比較すると、消費税率6.3%に相当する額に25%を乗じると1.7%に相当する額が地方消費税額となる。すなわち、地方消費税の実効税率は1.7%ということになる。このように、実質的な税負担の比較をするときに用いられる税率を、実効税率という。
実効税率は、法人所得課税の税率の国際比較において用いられることが多い。
いわゆる大法人の表面税率を見ると、法人税の基本税率は23.2%、法人事業税(所得課税に係るもの)の基本税率は6.7%(地方法人特別税を含む。)、法人道府県民税の税率は4%、法人市町村民税の税率は9.7%である。
しかし、法人事業税は損金算入することができる税目であるので(法税38)、これを考慮すると、法人税の実効税率は、23.2%×1/(1+0.072)=21.64%となる。また、法人道府県民税の課税標準は法人税額であるから、法人道府県民税の実効税率を求めると、表面上の計算では1.082%であるが、1.082%×1/(1+0.072)=1.01%となる。