クレーム対応術

関根健夫

クレーム対応術 4  質問することで相手の発言をうながす

キャリア

2019.03.21

【コラム】対応者以外がクレームの記録を取る

記録を残そう

 昨今、行政の窓口には、過度に長時間にわたって主張するお客さまが増えているという。主張の内容は、確かにそのとおりかもしれ ないが、20〜30分も大声で主張されると、こちらとしては〝その程度のことで、どうしてそこまで言うのか〟とイライラする。月刊 『ガバナンス』2014年3月号に取り上げた「名札を着用していない職員がいる」などもその例である。

 行政としては、こういうお客さまに対しても、まったく対応しないというわけにはいかない。かといって、この程度の非常識さでは、 警察へ通報するわけにもいかない。対応した職員は、相当なストレスを抱え込むことになる。

 一人で聞き、一人で話し、一人で記録を取ることは、平時なら何でもないことだが、非常な状況ではつらいことである。そこで、組 織的に対応するために、対応者以外の職員が記録を取ることをお勧めする。窓口近くの職員が役割を決めてやってもいいし、上長が合 図してさせてもよい。適当な位置で、状況や相手の言い分に聞き耳を立てる。

 窓口で応対している職員は、同じ課の誰かがこの状況に意識を集中して聞いてくれていることで安心感が違う。聞く、話すことに集 中できる。記録を取ることで、不当要求行為を立証できるかもしれない。

 こうした応対者を孤独にしない動きが職員一人ひとりに臨機応変な役割意識を醸成する。何が起きるかわからない現実の中で、この習慣の積み重ねが、クレームに強い組織を形成していく。

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関根健夫

関根健夫

人材教育コンサルタント

1955年生まれ。武蔵工業大学(現、東京都市大学)卒業後、民間企業を経て、88年、アイベック・ビジネス教育研究所を設立。現在、同社代表取締役。コミュニケーションをビジネスの基本能力ととらえ、クレーム対応、営業力強化などをテーマに、官公庁、自治体、企業等の研修・講演、コンサルティングで活躍中。著書に、『こんなときどうする 公務員のためのクレーム対応マニュアル』『事例でわかる公務員のためのクレーム対応マニュアル 実践編』(ぎょうせい刊)。

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