議会局「軍師」論のススメ

清水 克士

全ての議会(事務)局職員が「軍師」に!|議会局「軍師」論のススメ 第120回【最終回】

NEW地方自治

2026.10.15

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★「議会局『軍師』論のススメ」は「月刊 ガバナンス」の連載です。掲載本誌はこちらからチェック!

月刊ガバナンス 2026年3月号

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特集:東日本大震災15年
──これまで、そして、これから
編著者名:ぎょうせい/編
販売価格:1,320円(税込み)
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本記事は、『月刊ガバナンス』2026年3月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

 2016年4月に始まったこの連載も、今号で終了することになった。この連載をきっかけに依頼された研修も数多く、筆者にとっても沢山の人と繋がり、気づきも得られるなど、大変貴重なものであった。

 最後に、私が求める議会や改革のあり方、議会(事務)局職員像などを網羅して、連載を締めくくりたい。

■議会改革のあるべき方向性

 先日、現職の議員選出監査委員が、遠方から訪ねて来てくれた。その理由は、「議選監査に就任すると議員として決算審査に加われなくなる制度自体に疑問を感じていた時に、拙稿(注1)を読んで共感したからだ」という。

注1 詳細は「憲法上の要請と有権者の期待を軽視して良いのか?」(ガバナンス2025年10月号)参照

 この疑問は核心をついており、議員は市民からの負託を受けた公選職であるのに、自治体内部で付託された職に過ぎない議選監査のために、公選職の本来業務に支障をきたすなど、本末転倒の極みであろう。法的にも、憲法上、議会と執行機関は独立対等関係にあり、地方自治法で独立性を侵す制度を選択制といえども許容することには疑義があり、本来は制度廃止されるべきものではないだろうか。

 同様に議論が枝葉末節に流されて法改正に至らない事項には、コロナ禍で議論となったオンライン本会議の実現(注2)などもある。

注2 詳細は「オンライン議会実現への道程」~「続々々々・オンライン議会実現への道程」(自治日報2020年9月18日号~2022年11月14日号)参照

 だが、大局的には議員のなり手不足や脆弱な議会事務局の体制に鑑みると、行政における都市制度と同様に、全国単一ではなく地域や人口規模別に、柔軟かつ多様な議会制度への抜本的改正の必要性を感じる。

 このように法改正前提の課題も多いが、一方で現行法の立法趣旨が尊重されているかというと、それもかなり怪しい。議会は法定外の独自制度の開発、運用には熱心である一方、法定権限や制度の活用は極端に低調だからだ。一般的に重要であると立法者が判断したからこそ、制度や権限が法定されているのであり、それを無視して活用の努力さえせず、法定外の独自制度にばかり注力するのは努力の方向性が違うのではないだろうか(注3)。

注3 詳細は「なぜ法定外制度が議会では主役なのか?」(ガバナンス2023年12月号)参照

 具体的には、地方自治法96条によって義務付けられている議決のプロセスである議案審議よりも、法定外の一般質問に傾倒しがちであること。政策立案では事実行為に過ぎない首長への提言や要望に終始し、議会自ら条例制定権を行使して政策を実現しようとする議会は希少であること。住民広聴においては、法定外の議会報告会に注力する一方、公聴会や参考人招致等の法定制度の活用によって公式会議録に市民意見を反映させようとする努力は、ほとんどなされていないことなどである。

■局職員だからこそできること

 法改正前提の課題は広域展開の運動論も必要だが、立法趣旨とズレている課題については、各議会での改革の努力が求められるだろう。

 もちろん議会の意思を決めるのは公選職たる議員である。だが、そのプロセスにおいては、任命職である局職員だからこそ見える課題解決の糸口が必ずある。改革を実現するには、議会の課題を自分事として捉え、議員とともに議会改革を主体的に補佐しようとする強い意志が局職員にも求められる。

 最後に全ての議会事務局が「議会局」となり(注4)、全ての局職員が「軍師」として活躍されんことを心から願って連載を閉じたい。

注4 詳細は「なぜ『議会局』であるべきなのか?」「続・なぜ『議会局』であるべきなのか?」(ガバナンス2025年5月号、同年6月号)参照

 拙稿に10年間お付き合いいただき、誠にありがとうございました!

 

著者プロフィール

早稲田大学デモクラシー創造研究所招聘研究員
議会事務局研究会 共同代表
元大津市議会局長
清水 克士 しみず・かつし


1963年生まれ。同志社大学法学部卒業後、85年大津市役所入庁。企業局総務課総務係長、産業政策課副参事、議会総務課長、次長、局長などを歴任し、2023年3月に定年退職。著書に『議会事務局のシゴト』(ぎょうせい)。

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清水 克士

大津市議会局長・早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員

しみず・かつし 1963年生まれ。同志社大学法学部卒業後、85年大津市役所入庁。企業局総務課総務係長、産業政策課副参事、議会総務課長、次長などを経て2020年4月から現職。著書に『議会事務局のシゴト』(ぎょうせい)。

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