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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2024 月刊「ガバナンス」2024年7月号

地方自治

2024.08.01

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2024年7月号)

●災害リスクを立体視覚化した3Dデジタルマップを公開

 神奈川県厚木市(22万3800人)は、市の洪水浸水想定区域・土砂災害警戒区域・震度分布図・液状化危険度の「オールハザードマップ」を立体的に可視化した「あつぎ3Dデジタルマップ」を市ホームページで公開している。市は23年度から国土交通省主導の日本全国3D都市モデルの設備・オープンデータ化プロジェクト「Project PLATEAU(プラトー)」に参画し、災害リスクの可視化に向けて3Dデジタルマップを整備した。スマートフォンやパソコンから知りたい災害リスク情報を三次元で確認できるので、居住地域の災害リスクの直感的な理解に役立ててもらう。
 3D都市モデルには建物等を単純な高さ情報の直方体で表現したLOD1や、外観の凸凹を表現し屋根や壁などの情報も付けたLOD2などがあるが、「あつぎ3 Dデジタルマップ」では市内全域をLOD1で整備し、本厚木駅周辺と愛甲石田駅周辺は詳細なLOD2に航空写真を用いた画像を貼り付け、より精細に再現している。市が整備した3D都市モデルデータは国土交通省のサイト「PLATEAU」に二次利用・商用利用可能な形でオープンデータ化され、誰でも無償で自由に利用できる。まちづくりや防災、観光、交通、環境、防犯、健康などさまざまな分野でのシミュレーションや分析等に展開でき、地域課題の解決に活かせることから、庁内での活用とともに民間等でのユースケース開発に期待を寄せている。これまで県内5市町で同様の3D都市モデルが整備されているが、独自の市民向け閲覧ビューアの整備は県内初。

(月刊「ガバナンス」2024年7月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●独自の「涼み処」で熱中症対策を強化

 福島県(181万8600人)は、熱中症対策の強化に向け、市町村が指定する「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」に加えて、県独自の避暑施設として「ふくしま涼み処」を登録して公表する取組みを進めている。
 クーリングシェルターは、24年4月1日施行の改正気候変動適応法に基づき危険な暑さから避難できる場所として市町村長が指定した施設であり、熱中症特別警戒アラートの発表期間中、一般に開放される。県内では公民館や図書館など公共施設を中心に50か所以上が指定されている。一方、「ふくしま涼み処」は、暑い日の一時休憩所として利用できる施設を県が協力を依頼して登録・公表する取組み。涼しく快適に過ごすことができる場所として、①冷房設備や椅子などがあり、一定時間、県民が利用でき、②利用者の制限がなく誰でも利用できる施設を要件としている。公共施設だけでなく、スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなど商業施設にも働きかけ、5月30日現在、1246件が登録(うち商業施設等は803件)。登録施設にはポスターやのぼりを提供し、県民へPRしてもらっている。6月から当面9月まで運用していく。
(月刊「ガバナンス」2024年7月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●小学校に言語聴覚士資格所有教員を採用へ

 奈良県(132万5400人)教委は、通常学級に在籍する児童生徒のうち、発達障害等の課題を有する児童生徒に、自立活動等を行う「通級指導」を充実させることをねらいに、言語聴覚士の資格をもった教員を採用することとした。学校への言語聴覚士の常勤配置は全国的にも珍しいという。
 言語聴覚士は、言語障害や音声障害など言葉によるコミュニケーションが困難な人に対して症状改善の指導や訓練を行う専門職。25年度公立小学校教員採用候補者選考試験において、特別枠の発達支援推進教員選考として3人程度を採用する予定。奈良市教委と連携協定を締結していることから、奈良市から順次配置を行い、一定の効果があれば将来的に採用人数を増やし、県内全39市町村への配置を目指したいとしている。
 また、25年度公立学校教員採用候補者選考試験では、個に応じた指導のより一層の充実を図るための発達支援推進教員選考を新設したほか、小学校及び特別支援学校において大学3年生等での受験を可能とする3年次選考、専門的知識・技能を習得した人材活用のための大学院選考、高校への留学生対応のための日本語指導教員選考をそれぞれ新設した。
(月刊「ガバナンス」2024年7月号・DATA BANK 2024より抜粋)

 

●「生活保護のしおり」を改訂

 群馬県(193万1000人)は、24年4月12日に、生活保護制度の説明などに利用している「生活保護のしおり」を改訂した。同しおりは、多くの県内福祉事務所において生活保護相談などでの説明資料として活用されているが、同県桐生市における生活保護一部不支給等の不適正な対応事案を受けて改訂したもの。必要な支援を届けられるよう、生活保護受給者の立場に立って、より丁寧で分かりやすい表現に改めた。
 主な改訂点として、①三つの自立(日常生活自立、社会生活自立、経済的自立)に関する説明を追加し、自立が「保護脱却」に限らないことを明記、②生命保険・自動車・不動産等の資産処分について、保有が認められる場合がある旨及びその条件の概要を追加、③就労困難な人について通院・治療等を優先する旨を追加、④一時扶助費の例示を複数追加、⑤正しく申告すれば、収入認定しない取扱いや控除をできる場合がある旨を追加、などがあり、より受給者の立場に寄り添って制度の理解を図る内容にしている。
 しおりは、県内福祉事務所で配布するとともに、県のホームページに掲載している。また、福祉事務所職員の研修でも活用している。
(月刊「ガバナンス」2024年7月号・DATA BANK 2024より抜粋)

 

●路線バスの外国人運転士の誕生に向けた支援体制「岡崎モデル」を始動

 愛知県岡崎市(38万4400人)と名鉄バス㈱は、4月に包括連携協定を締結し、外国人運転士の誕生に向けた支援体制を構築する「岡崎モデル」の取組みをスタートすると発表した。
 協定の内容は、①公共交通の確保・維持に向けた外国人をはじめとする多様な人材確保、②子育て支援及び青少年の健全育成、③高齢者支援、④観光の振興、⑤先端技術モビリティ、⑥市民サービスの向上及び地域社会の活性化に資すること。「岡崎モデル」の取組みはこのうち①の一環として進められる。公共交通の確保・維持を見据えた人材確保を図るのがねらい。
 名鉄バスは、外国人運転士の採用と日本語教育、就労アドバイスについて、日本語教育事業等を展開する「EGAO(えがお)GROUP」と連携し、市に対しては、外国人運転士の教育・確保状況の報告、外国人運転士の市内定住に向けたサポート要請を行う。
 市は、名鉄バスの要請を受けて、運転士の確保・定住に向けた情報を提供するとともに外国人の生活サポートを行う。市、バス会社、日本語教育事業者による外国人運転士の育成の試みは全国初という。
(月刊「ガバナンス」2024年7月号・DATA BANK 2024より抜粋)

 

●サステナビリティレポートを作成・公表

 愛知県蒲郡市(7万8700人)は、「サステナビリティレポート2023」を4月に公表した。サステナビリティレポートは、持続可能な社会の実現に向けた組織の取組みを開示するもので、愛知県内の自治体で作成・公表したのは同市が初めて。
 レポートの冒頭では、鈴木寿明市長が社会課題の解決や経済の活性化、社会・環境への負荷軽減等に向けて市民をはじめとするステークホルダーと一体となって取り組んでいくことを表明。サステナビリティに関する取組みを発信することで、市が目指すまちづくりの方向性に関する理解を広め、ステークホルダーとともに持続可能なまちづくりを進めるというねらいを打ち出している。
 レポート全体は、「市が目指す姿」「市の価値創造」「価値創造ストーリー」「取り組みの進捗」「データ/取り組み集」の大きく5項目から構成されており、同市の市民憲章と第5次市総合計画を柱に、市内のサステナブルな事業活動や市民によるプロジェクトを紹介しているのが特徴。
 「取り組みの進捗」では、市が昨年3月に策定した「サーキュラーシティ蒲郡アクションプラン」の7つの重点分野(教育、消費、健康、食、観光、交通、ものづくり)のロードマップに基づき、各分野の実践を紹介している。例えば教育分野では、市内でのサーキュラーエコノミーという言葉の認知率(内容まで知っている)を22年の7.2%から30年までに60%に高めるという目標値を示したうえで、昨年3月に行われたサーキュラーシティシンポジウムの概要を掲載するなど、目標実現に向けた代表的な取組み例を掲載している。
 レポート作成に当たっては、オランダに本部を置くGlobal Reporting Initiative によるガイドライン「GRIスタンダード」を参考にした。
(月刊「ガバナンス」2024年7月号・DATA BANK 2024より抜粋)

 

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