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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2024 月刊「ガバナンス」2024年6月号

NEW地方自治

2024.07.04

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2024年6月号)

●市町村の学校給食費無償化促進のための交付金を創設

 青森県(122万5500人)は、24年度当初予算で「学校給食費無償化等子育て支援市町村交付金」を創設し、18億7621万円を計上した。
 小学1年生から中学3年生までの給食費無償化を最優先とする子育て費用の無償化事業に取り組む県内市町村に対して、完全給食実施市町村の給食費平均単価(1食当たり小学校280円・中学校310円)に小・中学生数と給食提供日数を掛けた金額を上限に交付する。
 青森県は24年からの県基本計画の政策テーマの一つに「こども~こどもの健やかな成長~」を掲げ、①安心してこどもを産み育てられる社会、②こどものウェルビーイングが実現している社会、③こども・若者に必要な支援が届く社会、を40年のめざす姿とし、実現に向けてさまざまな施策を打ち出している。学校給食費無償化等子育て支援市町村交付金は「希望と喜びを持って子育てできる環境づくり」の一環として創設したもので、学校給食無償化に向けて県が市町村に交付金を交付するのは全国初となる。
 23年度の実績では、県内40市町村のうち給食費を完全無償化しているのは17市町村、一部無償化は14市町村、未実施は9市町村となっている。交付金は無償化を実施していない市町村の完全無償化事業と無償化実施市町村の拡充分を対象に交付(交付率10/10)。完全無償化を実施している市町村には、学校給食費以外の子育て費用無償化事業を進めてもらうため、子ども医療費や保育料、保育所等の給食費などの無償化事業を対象に交付(交付率8/10)する。また、学校法人及び弘前大学附属学校の給食費無償化を支援する「学校給食費無償化事業費補助」と、県立中学校・県立特別支援学校の給食費無償化のための「県立学校給食費無償化事業」も予算化した。給食費無償化は10月から実施する予定。
(月刊「ガバナンス」2024年6月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●町村議会議員の報酬の適正化を決議

 岡山県町村議会議長会(会長:難波武志・吉備中央町議会議長)は、総会において「議員報酬の適正化に関する決議」を全12町村議会一致で採択し、24年3月に岡山県町村会会長の山崎親男・鏡野町長に決議文を手渡した。議員報酬の適正化を求める決議は全国初とみられる。
 決議では、町村議会議員のなり手不足が深刻化している大きな要因は、町村議会議員の報酬月額が町村長の給料月額の30%程度に据え置かれたままで、生計を維持できないほど低水準なことにあると指摘。議員報酬を生計維持可能な水準まで引き上げるため、類似団体や近隣町村との比較のみでなく、議会・議員の活動内容を踏まえた原価方式で算定することを求めた。また、議会・議員活動を審議日数で捉えるのではなく住民との対話や日常活動を踏まえることや、議員報酬増額の代わりに議員定数削減を安易に考えないようにすることなども要請した。


岡山県町村会の山崎親男会長(右)に決議文を手渡す岡山県町村議会議長会の難波武志会長。

(月刊「ガバナンス」2024年6月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●帰宅困難者支援システムの運用を開始

 神戸市(151万900人)は、地震等の発生時に、買い物客など行き場のない帰宅困難者を一時的に滞在できる施設(一時滞在施設)へ安全かつ円滑に案内するため、帰宅困難者支援システムの運用を24年度から開始した。こうしたシステムの提供は全国初という。
 地震等により公共交通機関が停止した際、通勤者や来街者などが一斉に帰宅しようとすると、駅前等に多くの帰宅困難者が集中し、群衆なだれが起きたり救助活動が妨げられたりする可能性がある。同システムではそうした状況を回避するため、災害発生時に市のホームページや三宮駅周辺のサイネージ・看板等に二次元コードを表示。帰宅困難者自身がスマートフォン等で二次元コードからアクセスすることで、WEB上で一時滞在施設への案内を受けることができる。一時滞在施設の入退所の手続きもWEB上で行うことが可能。
 要援護者、乳幼児家族、女性、旅行者など、属性に応じた一時滞在施設を探せるほか、施設までのルートや交通情報を確認することもできる。インバウンド対応として、多言語切り替え機能(日本語、英語、中国語〔簡体・繁体〕、ベトナム語、韓国語)も搭載している。
(月刊「ガバナンス」2024年6月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●公式サイト内検索に ChatGPT を導入

 東京都江戸川区(68万8200人)は、2024年3月5日にリニューアルした区公式サイトのサイト内検索に、生成AIを活用した対話サービスであるChatGPTを導入した。サイト内のデータをまとめて、簡潔な文章で回答することで、必要な情報が即座に提供可能となった。ChatGPTが補足回答を表示する機能の導入は、自治体としては全国で初めてという。
 区公式サイトは2000年4月に運用を開始。これまでも120か国語への変換に対応することができる自動翻訳機能や、子育てやごみの分別に関する問い合わせ対応にチャットボットを導入するなど、住民の利便性向上のため機能拡張を重ねてきた。一方で、サイト内には約1万6000ページにのぼる情報があり、“欲しい情報にたどり着けない”といった声が多くあったことから、区では、シンプルな構成で操作性を改善するとともに、ChatGPTを活用して検索性を向上させるリニューアルを行った。
 また、ユニバーサルフォントを導入したほか、表示アイコンを大きくシンプルなものに変更。目的別カテゴリをトップページ上部に大きく配置するなど、見やすく操作しやすいデザインにした。
(月刊「ガバナンス」2024年6月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●県域水道事業の統合へ向けて関係団体で協議

 奈良県(132万5400人)では、県内26市町村等の水道料金統一など水道事業の統合へ向けた取組みを進めている。水道事業が人口減少等に伴う給水収益の減少や施設老朽化による更新需要の増加、職員減少による技術力の低下などの困難に直面する中、事業者の広域連携によって課題解決を図り、持続可能な水道事業を実現するのがねらい。
 奈良県では18年度に県と関係市町村等で県域水道一体化検討会を立ち上げ、19年3月に「新県域水道ビジョン」を策定した。その後、水道サミット等を経て、21年1月に関係団体間で「水道事業等の統合に向けた覚書」を締結。同年8月に覚書締結団体の長で県広域水道企業団設立準備協議会を設立して検討を重ねた。その結果、23年2月に県と関係26市町村及び奈良広域水質検査センター組合の長で統合後の運営方針となる基本計画を策定するとともに、「水道事業等の統合に関する基本協定」を締結して協議を継続。24年3月に、新設する広域水道企業団の組織体制や統合後の水道料金、施設整備の具体的計画などの統合に向けた大枠について合意した。
 具体的には、統合後の水道料金体系については統一するとした上で、用途別・口径別に区分設定し、用途別は一般用と浴場用の2区分、口径別は用途ごとに13㎜~200㎜の10区分とし、口径別の基本料金と従量料金(逓増型)の二部料金とする案を提示。例えば、一般用の基本料金は口径13㎜390円、20㎜870円などとし、1㎥当たりの従量料金1~10㎥85円、11~20㎥147円などを加算する。料金が統合前より高くなる場合は、5年間の経過措置として以前の料金体系を適用するとしている。
 合意した大枠に沿って引き続き細部の詰めや実務的な準備などを進め、25年度の事業統合を目指す。
(月刊「ガバナンス」2024年6月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●「みらい農業学校」を開校

 福島県南相馬市(5万7500人)は、「みらい農業学校」を開校し、24年4月11日に開校式を行った。東日本大震災後の農地再編と農業の担い手不足の解消を目的に㈱マイファームと連携して開校したもので、独立就農ではなく雇用就農に特化したカリキュラムが特色。市が開設し、マイファームが委託事業として運営する。
 同校は、開講期間1年間・2学期制で週5日程度の全日制。旧幼稚園を改修した施設と近隣圃場で、作物栽培に関する座学と農場実習、農業機械研修、スマート農業技術のトレーニング、農業生産法人でのインターンシップなどを進める。卒業後は地域の農業法人等への就職を促し、震災復興後の農地を再開して地域の農業復興を図っていくことを目指している。1期生は県内外から15人が入学した。


みらい農業学校の開校式。

(月刊「ガバナンス」2024年6月号・DATA BANK 2024より抜粋)

●新時代創造PTで技術職員申込者数が倍増

 静岡県沼津市(18万9600人)は、23年度技術職員採用試験の申込者数が前年比で2倍、募集人数に対する倍率も3.3倍になったことを公表した。
 同市は23年度の市制施行100周年を契機として、さまざまな各種事業を着実に推進するため「市役所新時代創造プロジェクト」を設置。若手職員を中心にメンバーを選定し、「職員意識改革」「人事評価改革」「広報改革」「職員採用改革」「ICT改革」に取り組んできた。
 そのうち「職員採用改革」は、技術職員の慢性的人員不足により道路・上下水道・橋梁等の老朽化対策や維持管理が難しくなっていることに危機感を抱いた若手技術職員を中心に、大学訪問や学校説明会の実施、ポスター・チラシ・名刺の作成、市職員採用HPのリニューアルを実施。さらに試験科目の変更(SPI3の導入と面接回数の見直し)、試験日程の前倒し(募集開始を6月から前年度3月に、最終合格発表を9月中旬から5月下旬に変更)をしたことにより、申込者数の大幅な増加につながった。
(月刊「ガバナンス」2024年6月号・DATA BANK 2024より抜粋)

 

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